森保ジャパンの戦略は正しいのか。ガーナ戦圧勝で改めて疑問に思うブラジル戦の起用法

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 日本がキリンカップ初戦でガーナと対戦し、4-1で勝利。MF久保建英とFW前田大然がA代表初ゴール、DF山根視来が通算2点目、MF三笘薫が同4点目と、新鮮な顔ぶれが得点を重ねての快勝だった。

「基本的には(ワールドカップ)最終予選で起用してきた選手をブラジル戦で起用しようと思っている」

 6月シリーズ初戦のパラグアイ戦を前に、森保一監督が口にしたコメントに沿って考えれば、ブラジル戦の先発メンバーが現時点での"Aチーム"。パラグアイ戦、そしてこのガーナ戦に先発したメンバーは、いわば"Bチーム"ということになる。

 要するに、控え組である。

「いつもと違うメンバー(Bチーム)でやって、自分がいいプレーをしても、チームが勝たないとダメ。負けちゃうと、やっぱりスタートのメンバー(Aチーム)のほうがいいじゃん、となる。だから、チームが勝つことが大事だった」

 パラグアイ戦を終えて、先発フル出場したMF鎌田大地がそう話していたように、当の選手も自らが置かれた立場を理解していた。

 だが、ここまでの3試合を見る限り、Bチームの出来のよさが目立っている。

 初戦のパラグアイ戦に続き、ガーナ戦もまた、結果だけでなく、内容的にも評価に値する試合である。パラグアイ戦が、決して"たまたま"ではなかったことを、自分たちの力で証明した格好だ。

 もちろん、ガーナの目を覆いたくなるような"緩さ"は差し引いて評価する必要があるが、むしろそうしたチームを相手にすると、得てしてこちらも緩み、内容に乏しい大味な試合になりがちなのもサッカーだ。

 それを考えれば、Bチームの選手たちは、間違いなく内容のともなった試合をしたと言える。選手それぞれが相手の守備の間に立ち、マークを外し、パスをつないではガーナゴールに迫った。ブラジル戦ではほとんど見られなかった光景だ。

 なかでも際立っていたのは、左右両サイドからの攻撃である。

 右の山根+MF堂安律、左のDF伊藤洋輝+三笘はすでにパラグアイ戦で良好な連係を証明済みだったが、そこに加わるインサイドMFの顔ぶれは、右はMF原口元気から久保へ、左は鎌田からMF柴崎岳へと、それぞれ入れ替わっていた。

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