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U-21森保ジャパンの逸材ボランチは
目指す理想のスケールがデカい

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 ほんの1年半前まで、ゴールやアシストこそがサッカーの醍醐味だと思っていた。

 ゴール前でアイデアを膨らませ、決定的な仕事をするのが何よりも楽しかった。

 だから、パスコースの消し方やちょっとしたポジションの取り方に、自分がこんなにも面白いと感じるようになるなんて、夢にも思っていなかった。

森保ジャパンで攻守の要となっているボランチの松本泰志森保ジャパンで攻守の要となっているボランチの松本泰志「最近、ボランチが楽しくて仕方ないんですよ。攻守においてたくさんボールに触れるし、ピッチ全体を見渡せるじゃないですか。数的優位をどうやって作ろうかな、とか考えるのはすごく面白いですね」

 じゃあ、これからはボランチひと筋で生きていく――?

 そう訊ねると、松本泰志(サンフレッチェ広島)は人懐っこい笑顔をのぞかせながら、答えた。

「そうですね。もうここしかないなって――」

 インドネシアで開催されているアジア大会。2勝1敗の成績でグループステージを突破したU-21日本代表において、ここまで出場時間がもっとも長いのが、225分に出場した松本だ。ネパール戦(1-0)とパキスタン戦(4-0)には先発フル出場を果たし、ベトナム戦(0-1)では後半からピッチに立った。どの試合もボランチとして。

 なかでも好パフォーマンスを見せたのが、ベトナム戦である。

 序盤にミスで失った1点が重くのしかかり、最後までゴールをこじ開けられなかったが、試合の流れを大きく引き寄せたのは、後半から投入されたふたり――推進力をもたらした岩崎悠人(京都サンガ)と、リズミカルにボールを動かした松本だったのは間違いない。

 もっとも、1、2戦目では思い描いたプレーができたわけではない。ネパールも、パキスタンも、自陣に引きこもり、スペースを消してきたうえに密着マークを敢行してきたからだ。

「あれだけ引かれてしまうと、難しかったですね。散らしながら揺さぶっていたんですけど、ボランチのところに相手がけっこう出てきていたし、シャドーのところにもみっちりついていたので、厳しかったです」

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