【日本シリーズ2024】「これぞエースのピッチング!」 森福允彦が語った東克樹とスチュワートの違い
場所をソフトバンクの本拠地・福岡に移して行なわれた日本シリーズ第3戦。DeNAは10月12日以来となる東克樹が先発。7回を投げ10安打を浴びるも、1失点に抑える好投。また打つほうでは、リードオフマンの桑原将志が決勝ホームランを含む2安打と活躍。投打がしっかりかみ合い、DeNAが4対1で勝利。日本シリーズ初勝利を挙げた。勝敗を分けたポイントはどこにあったのか。ソフトバンク時代に日本シリーズを経験している森福允彦氏に解説してもらった。
日本シリーズ第3戦で好投したDeANの東克樹 photo by Kyodo Newsこの記事に関連する写真を見る
【嫌な流れを断ち切った東克樹の粘投】
── 日本シリーズ第3戦目でDeNAがようやく1勝しました。勝因はどこにあったと思いますか。
森福 先発した東投手の粘りの投球に尽きます。
── 東投手は太ももの肉離れで、阪神とのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第1戦以来の登板となりました。
森福 コンディションは万全ではなかったと思います。それでもしっかりコントロールしていましたし、7回を投げて10安打を許しましたが、先頭打者はひとりも出していません。ソフトバンクの強力打線を相手に、ある程度打たれることは想定していたと思うのですが、それでも先頭打者をしっかり打ち取ったことで、気持ちに余裕が生まれた。そこが一番大きかったですね。
── 初回に1点を先制した直後、すぐに同点にされるなど、嫌な流れだったと思います。
森福 ゲッツーかなと思ったら、ショート・森敬斗選手がファンブルしてランナーを残し、近藤健介選手のタイムリーで同点。もしあそこでもう1点追加されていると、流れは一気にソフトバンクに傾いていたんじゃないかと。失点こそしましたが、よく同点でとどめたなと思います。
── DeNAは3回表、4回表と2イニング連続して無死一、二塁のチャンスをつくりながらも無得点。ピッチャーにとっては、厳しい展開だったと思います。
森福 東投手も勝ち越されると厳しくなるのはわかっていたはずです。だからといって、慎重になりすぎることなく、しっかりゾーンで勝負できていました。ランナーは背負うのですが、ストライクで勝負できているからリズムは悪くならない。「これぞエースピッチング!」だったと思います。
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