【ドラフト2024】中日再建のカギは先発投手と打てる外野手 甲子園で活躍の高校生右腕も候補に
プロ野球の一大イベント、ドラフト会議が10月24日に開催される。各球団すでに指名選手をリストアップし、最終段階に入っていると思うが、チームの現状と将来を鑑み、今回のドラフトで本当に獲得すべき選手は誰なのか? 過去10年間でAクラスはわずか1回と低迷を続けている中日。立浪和義監督が今シーズン限りでの辞任を発表し、来季からは新監督が指揮を執る。チーム再建へ新たなスタートを切ることになるが、今年のドラフトで指名すべき選手は?
最速159キロを誇る愛知工業大の中村優斗 photo by Ohtomo Yoshiyukiこの記事に関連する写真を見る
【得点はリーグワースト】
9月23日にバンテリンドームで行なわれた中日と広島の一戦は、祝日とはいえ観客3万5320人。ヤクルトと最下位を争う中日の本拠地に、ほぼ満員のファンが集まったというわけだ。じつにありがたいことである。
昔はちょっと違った。チームが勝てなくなると、途端に球場に来なくなる。今は「自分たちがチームを育てるんだ!」という意識があるのだろうか。だから、ユニフォームを着て、みんなと声を合わせて声援を送り、負けても「次こそは!」とまた球場に足を運ぶ。
その9月23日の広島戦、中日の上位打線を眺めていて「いい打線になってきたなぁ」と思ったものだ。
1番センター・岡林勇希、2番ショート・村松開人、3番サード・福永裕基、4番ファースト・石川昂弥、5番ライト・細川成也......地味といえば地味かもしれないが、それなりに実力者ばかりだし、それぞれの打順の役割とプレースタイルが合致しているので、すごくおさまりがいい。
一方で、6番以下がとっかえひっかえ(失礼!)というか、まだ固定できずにいる。つまり、そのあたりが補強ポイントになってくるだろうか......。
「最近、勝ってないな」と思って、この10年のチーム成績を調べてみたら、優勝はおろか、Aクラス(3位)も2020年の一度だけ。立浪和義監督が就任した2022年から球団初の2年連続最下位を喫し、今年もここまで(10月5日現在、以下同)5位と低迷が続いている。
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著者プロフィール
安倍昌彦 (あべ・まさひこ)
1955年、宮城県生まれ。早稲田大学高等学院野球部から、早稲田大学でも野球部に所属。雑誌『野球小僧』で「流しのブルペンキャッチャー」としてドラフト候補投手のボールを受ける活動を始める。著書に『スカウト』(日刊スポーツ出版社)『流しのブルペンキャッチャーの旅』(白夜書房)『若者が育つということ 監督と大学野球』(日刊スポーツ出版社)など。