高木豊が考えるパ・リーグ選手のFA戦線 西武の山川穂高は「残留してチームに貢献すべき」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo

――同じくFA宣言した平井克典投手(西武)は、今季は54試合に登板して4勝(3敗)28ホールド、防御率2.55。貴重な中継ぎとしてチームに貢献しました。

高木 残留する可能性が高いと思います。本人も「西武のチームメイトと一緒にまだまだプレーしたい」という旨の発言をしていますしね。西武は先発ピッチャーが充実してきましたし、チーム最多のホールドをマークした平井が中継ぎにいることで、よりピッチャー陣の安定感が増します。複数年契約を提示してくれているということですし、チームにとっても本人にとっても残留したほうがいいと思います。

【山川はFA宣言をせず、1年間は西武に貢献すべき】

――もうひとり去就が注目されていた、2年連続で防御率2点台をマークした加藤貴之投手(日本ハム)は残留することなりそうです(11月10に報道)。最後に山川穂高選手(西武)についてお聞きしますが、西武は単年契約を提示したと見られています。不祥事の件も含めてどう思われますか?

高木 球団に迷惑をかけたのは周知の事実で、仮に僕が山川の立場であれば、今年はFA宣言はしません。単年契約を提示しているということは、球団は親心で「残ってもいい」と言っているわけですよね。チームメイトに頭を下げ、ファンに対してもしっかりお詫びをして......FAを行使するにしても来年にするべきかと。

 チームメイトとの間に溝ができているのかもしれませんが、迷惑をかけてしまった分を取り戻すという意味でも、残留して来季にしっかりした成績を残し、チームの順位を少しでも上に上げる。出ていくならそれからですよ。

――成績を残すことで球団に誠意を見せるべき?

高木 球団に対してもそうですし、松井稼頭央監督が就任1年目で4番として期待していたのを裏切ったこともありますから。先輩の中村剛也と栗山巧が試合に出て、尻拭いするような形になったわけじゃないですか。そういうことを考えたら、来年は1年間しっかりやって、「ホームラン王を獲る」くらいの気持ちでチームに貢献するべきじゃないかと。西武では「やりにくい」と思っているのかもしれませんが、ほかのチームに行っても一緒だと思いますよ。

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