2018.10.14

荒木大輔は清原和博に被弾。試合後、
野村監督の小言にカチンときた

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi

――たとえば、秋山幸二選手、清原和博選手などは、誰に似ているという分析でしたか?

荒木 いや、もう全然覚えていないです(笑)。僕ら投手陣はその程度の対策でしたけど、大変だったのは古田ですよ。シリーズ中はホテルニューオータニで合宿をするんですけど、古田の部屋に行くとビデオデッキがあって、ビデオがずらっと並んでいました。完全に他人任せなんだけど、「キャッチャーって大変だな」って見ていました(笑)。

 極端な話、ピッチャーは何を投げたかなんてほとんど覚えていないけど、キャッチャーは1試合全部を覚えていますよね。たぶん、古田は今でも覚えているんじゃないのかな? 後に僕は伊東勤監督の下で西武ライオンズの投手コーチになりますけど、伊東さんの場合も「何回の誰々の何球目についてだけど……」と言うのに対して、僕は手帳を見て、「あっ、あのボールのことか」って感じでしたからね(笑)。

試合後のミーティングで、野村監督に反論

現在は日本ハムの2軍監督を務める荒木氏 photo by Hasegawa Shoichi――この年のシリーズでは、ライオンズ・石井丈裕投手との、「早実同級生対決」が話題となっていましたが、ご本人としてはどのような心境でしたか?

荒木 やっぱり投げ合いたかったですね。ただ、向こうはすでに西武のエース格だったけど、僕はどちらかと言えばローテーションの6番目とか、谷間に登板するピッチャーだったので、実現するとは思っていなかった。結局、このシリーズでは2試合に先発登板させてもらうけど、一緒の試合で投げることはできませんでした。願いが叶うのならば、投げ合いたいという思いは強かったです。
――この年の石井投手は絶好調でしたけど、同じ投手として彼のピッチングをどのように見ていたのでしょうか?

荒木 とんでもないピッチャーですよ、彼は。だってこの年、3敗ぐらいしかしていないでしょ(15勝3敗3セーブ)。ウチの野手陣に聞いたら、キャッチャー・伊東(勤)さんの傾向もデータで出ていて、ある程度の特徴はつかんでいたのに、「それでも打てない」って言っていましたから。パームボールも、スライダーも、ストレートもみんなよかったし、コントロールも抜群でしたね。