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槇原寛己が語る、悪夢の3連発。「1985年の阪神は最強だった」 (2ページ目)

  • 川端康生●構成 text by Kawabata Yasuo
  • photo by Kyodo News

 打たれたのは、7回。1対3で巨人が勝っている場面でした。2アウトながら、ランナーをふたり置いて、バースに打順が回ってきた。

 投げた球種は、シュートです。普段はあまり投げないボールでしたが、実はその前の打席でも(バースに対しては)シュートを放って、ゲッツーを取っていたんです。それも頭にあったと思うんですが......(前の打席で打ち取った)同じ球を打たれた。

 逆転の3ラン。勝っていた試合をひっくり返されてしまった。ものすごい一発でした。

 それで、ショックを受けているところに、今度は掛布さんに高めの真っ直ぐを打たれた。普通なら、フライになるボールだったと思います。それを、うまくバットをかぶせてバックスクリーンまで運ばれました。

 この時点で、もう放心状態ですよ。3人目の岡田さんのときは、ホームランを打たれたのは覚えているけど、その後の記憶がまったくありませんから。

 誰がマウンドに来て、どんなふうに交代させられたのか。ベンチに帰ってどうしたのか。アイシングをしたのかどうか。それどころか、宿舎に帰って何をしていたのかも、その日のことはまったく覚えていないんです。

 完全に(頭の中が)真っ白になりましたね。

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