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【夏の甲子園2025】ベテラン記者が優勝校をズバリ予想! 横浜の春夏連覇は? ダークホースはこのチーム! (3ページ目)

元永知宏氏(ライター)

優勝予想:広陵

 2023年夏から2025年春のセンバツまでの4大会で準決勝に進出した高校を挙げると、現在の勢力図がよくわかる。

2023年夏 慶應義塾(神奈川)、仙台育英(宮城)、土浦日大(茨城)、神村学園(鹿児島)
2024年春 健大高崎(群馬)、報徳学園(兵庫)、星稜(石川)、中央学院(千葉)
2024年夏 京都国際(京都)、関東一(東東京)、青森山田(青森)、神村学園(鹿児島)
2025年春 横浜(神奈川)、智辯和歌山(和歌山)、健大高崎(群馬)、浦和実業(埼玉)

 16校のうち8校が関東勢で、昨夏の甲子園以外はすべて優勝を果たしている。今春の選抜を制した横浜(神奈川)と、横浜に春連覇を阻まれた健大高崎(春季関東大会王者)が優勝候補の一番手として挙げられるだろう。

 最速152キロ右腕の織田翔希とサウスポーの奥村頼人、強打の阿部葉太を擁する横浜、選抜で好投したサウスポーの下重賢慎、プロ注目の石垣元気、トミー・ジョン手術を経て復活した佐藤龍月が揃う健大高崎は、投手力、攻撃力が抜きんでているという印象だ。そのなかで、優勝候補の本命として広陵(広島)を推したい。

 チームを牽引してきた高尾響、只石貫太というバッテリーが卒業し大物はいないが、広島大会で背番号10をつけた投手の堀田昂佑を中心に守りが固い。

 広島大会決勝は、崇徳に1点リードを許して9回表に突入。一死一塁で代走に起用された背番号14のキャプテン・空輝星が1球目に二盗に成功し、堀田の二塁打で同点のホームを踏んだ。空の盗塁はノーサインだったという。

 1対1で迎えた9回裏の二死二塁のピンチで4番打者を敬遠せず、堀田は真っ向勝負を挑んでピンチから脱出。10回裏、一死二、三塁の場面でも敬遠策を取ることなく無失点で抑えて勝利を手繰り寄せた。中井哲之監督は「うちにはスーパースターはいないけど、練習で積み重ねてきたことを信じた」と語った。指導者と選手との絆の強さがわかる決勝戦だった。

 今大会もロースコアの試合が多くなることが予想される。タイブレークでの決着も増えるだろう。接戦で勝負を分けるのは緊迫した場面での思い切った走塁と守備力だ。圧倒的な戦力を誇る関東勢に対して、広陵は緻密な野球で勝負する。

つづく

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