「野球ばかりしているのでは...」の噂に反論 エナジックスポーツ神谷監督が力説する「うちは相当勉強しているよ」 (3ページ目)
その成果は、1期生全員が情報処理検定1級、プレゼンテーション検定1級を取得したことだ。体育に特化した高校だが、エナジック流の文武両道を追求している。神谷監督が説明する。
「プロに入っても、3年くらいで辞める選手はけっこういる。そのあと、資格を持っていれば、履歴書に書けて採用でもプラスになる。野球をずっと頑張ってきて根性やマナーがあれば、いい会社に入りますよ。その後も頑張る心を持っているから、幸せになる。僕はそう思っています」
全日制でスポーツに特化したい高校生には、体育科体育コースという道がある。神谷監督は中部商時代、体育に特化した「生涯スポーツ科」を立ち上げた張本人だ。
エナジックスポーツも同様のカリキュラムで、午後は「スポーツⅡ」や「スポーツⅣ」「体育」「部活動」などにあてられている。その授業のなかで野球やトレーニングを選択し、甲子園やその先を目指しているのだ。神谷監督が続ける。
「今は、本人が『これがいい』と思ったことを選択できる時代です。一概に『この学校は勉強しないでどうなのか......』という問題ではなく、自分に合った学校を選択して、いかに夢を持って頑張るかが重要です」
沖縄では先に挙げた中部商や、進学校の那覇西にも体育系のコースがある。全国的にも、決して珍しい道ではない。
ではなぜ、エナジックスポーツは創部3年で甲子園にたどり着けたのか。その答えは、小学校の校庭くらい狭いグラウンドにあった。
著者プロフィール
中島大輔 (なかじま・だいすけ)
2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。
フォトギャラリーを見る
3 / 3