ソチでの発言に期待。
熱きスケーター町田樹の言葉へのこだわり (2ページ目)
「なぜそんなにボキャブラリーが豊富なんですか?」と聞いたところ、町田選手の答えは「本をたくさん読むようになったからかもしれません」というものでした。高校の時、広島から倉敷まで新幹線通学をしていたため、その通学時間にかなりの量の本を読んだそうです。
実は、中学の時はゲームばかりしていたそうですが、高校生になってからは「ゲームはもうやらない」と決めてゲーム機をすべて手放し、本を読む時間が増えていったといいます。しかも、気になった言葉はメモ帳に書き残しておくようにしているといいますから、その熱心さには頭が下がります。
photo by Yamamoto Raita「難解な言葉は、なかなか覚えられないと思うのですが、何かいい方法はありますか?」と聞いたところ「気になった言葉は、会話ですぐ使うといいんです。そうすると覚えます」と忘れないコツを教えてくれました。町田選手はいつも、「今日はどんなフレーズを使おうか決めてから、試合前後の記者会見に臨んでいる」といいます。
今シーズンの終盤になると、取材するメディアの側も「今日の町田選手はどんな言葉を使うのだろう?」と楽しみにしている記者やスタッフが増えていきました。そのことを町田選手に伝えると、「それはすごく感じています」と本人も意識している様子で、「最近は、試合前日から会見で何を言おうかと考えているんです」と、真剣な表情。
町田選手の今季のショートプログラム(SP)は『エデンの東』。ジョン・スタインベックの小説の第3巻がモチーフになっています。「書店の店員さんから『町田効果でエデンの東の売れ行きがすごくいい』と聞いてうれしかった」という町田選手が、今一番好きな言葉は、SPのコンセプトになっている「ティムシェル(=自分の運命は自分で切り開く)」という旧約聖書の言葉(「汝、治むること能(あた)う」と訳されるヘブライ語)です。
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