円盤投げ、BMX、社会人からガールズケイリンへ 卒業記念レースで輝いた期待の女子選手たち (3ページ目)
ナショナルチームでの活躍も期待される酒井亜樹 photo by Takahashi Manabuこの記事に関連する写真を見る
次世代を担うスター候補
女子の第128回生を代表するのが在所成績1位の酒井亜樹だ。卒業記念レースの決勝では惜しくも2着となり悔し涙を流したが、その走りは将来性を感じるものだった。
酒井が自転車競技を知ったのは、小学4年のとき。当時高校生だった兄・酒井拳蔵(大阪・109期)の応援のために訪れた岸和田競輪場で見たBMXだった。併設されているBMXコースで練習する人たちを見て、「自転車で飛んでいる姿がかっこいいな」と思い、BMXをやり始めた。
高校時代にはナショナルチームに所属するほどの実力となり、3年時に全日本選手権で優勝すると、大学2年時にも日本一となった。BMXで確固たる地位を確立していた大学4年(2023年)の4月、トラック種目に誘われた。
「BMXの選手がトラックバイクに乗ったらどのくらい乗れるのかというテストがあって、せっかくの機会だし、いろんな自転車に乗せてもらえるので楽しいなと思ってテストを受けました」
そのテスト結果がよかったため、翌5月の全日本選手権トラックの500mTTに出場すると、いきなり日本記録を更新。そのままトラック競技のナショナルチームに帯同することになった。一見、流れに身を任せているように感じるが、酒井にとっては納得の転向だった。
「BMXを12年間やってきて、限界と言うか、先が見えている感じがあったので、新しいことに挑戦しようと思いました。テストを受けた3カ月後くらいに世界選手権があって、予選を勝ち上がれたら、パリ五輪出場のチャンスがあるかもしれないと言われたことも大きなきっかけでした」
6月のアジア選手権を見事に勝ち上がり、8月の世界選手権へと駒を進めた。しかしここでチームスプリント10位となり、世界の壁を痛感。パリ五輪出場も断念せざるを得なかった。当時は大学4年で進路を考えるタイミングだったこともあり、養成所への入所を決意した。
今後も競輪と自転車競技の二足の草鞋を履いていく。目標は「ロサンゼルスオリンピックへの出場と、GⅠに出場できるような選手になって、最終的にはガールズグランプリへ出場すること」と語る。第128回生を代表する選手が、自転車競技トラック、そしてガールズケイリンを代表する選手になる日も近いかもしれない。
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