【大学駅伝】「早大にちょっとずつ負けている」出雲5位の中央大、藤原正和監督が全日本での逆襲を誓う
学生三大駅伝の初戦、第38回出雲駅伝(10月12日)は、早稲田大が各区間で力を発揮して優勝を飾った。一方、優勝候補の一角に挙げられていた中央大は、大きく崩れなかったものの5位に終わった。藤原正和監督や選手の言葉から、早大との差と全日本大学駅伝への巻き返しを探る。
5区では柴田大地が従来の区間記録を上回ったものの、早大・山口竣平らに負けて区間4位にとどまった photo by Aflo
【優勝を狙った区間配置】
出雲駅伝、決戦前夜――。
「全日本大学駅伝に向けて、出雲駅伝は自信を得られるような、そんな駅伝をしてほしい」
中央大の藤原正和監督は、選手にそう伝えた。今季前半のトラックシーズン、中大は早稲田大と並んで非常に好調だった。選手の自己ベスト更新が高いレベルで続き、毎年恒例の"PB更新100回超え"へのカウントも、9月27日時点で92回に達した。一方、昨年の出雲駅伝では優勝候補に挙げられながら、10位と惨敗。その結果を受け、大会までのアプローチを変えた。
「昨年は、箱根に向けてということで夏にかなり走りましたが、出雲は大失敗しました。それを受けて年間のボリュームは維持したまま、9月に入ってからの過ごし方を少しテコ入れしたのです。昨年はThe Road of WASEDA(※早大が主催する5キロのロード記録会)を使いながら調整していったのですが、今回は参加せず、学内での調整に切り替え、個々でしっかり練習を積むという流れにしました。大会に向けて選手の状態はよく、(補員ふたりを含めた)8人の登録のうち誰を出しても大丈夫と言えるレベルに仕上がりました」
全体的に状態が良好だったからこそ、1区、2区、3区、6区の主要4区間に誰を配置するか、藤原監督は苦心した。出雲を制するには、前半でリードを奪い、4区、5区で我慢して、6区で逃げ切る、あるいは前を抜き去る布陣を組む必要がある。藤原監督は、選手の個性や能力、駅伝の流れを踏まえて決断した。1区に藤田大智(4年)、2区に岡田開成(3年)、3区に三宅悠斗(2年)、4区に濵口大和(2年)、5区に柴田大地(4年)、6区に栗村凌(1年)。優勝を突き詰めた、自信の区間配置だった。
「展開は、早大の4区、5区の並びを見ると、3区の鈴木(琉胤)君(2年)が走り終わった時点で先手を取っていないとかなり厳しい戦いになるかなと。うちは2区、3区は自信があるので、そこでしっかりと前に出ていたいですね」
前日、藤原監督は自信に溢れた表情でそう語った。
1区の藤田は、積極的に攻められるタイプ。藤原監督は「大逃げはできないですが、5秒、10秒ぐらい勝ってくれればいい」と期待した。エースの岡田は3区という予想が多かったが、実際は2区。3区の三宅とともに差を広げるイメージがあったのだろう。三宅はホクレン網走大会の10000mで27分44秒45を記録して自信をつけ、夏の練習では藤田や岡田を上回る走りを見せることもあった。藤原監督は「トラックよりもロードが強いタイプ。アップダウンが非常に強いですし、押していける強さもある。注目してほしい選手です」と話した。
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著者プロフィール
佐藤俊 (さとう・しゅん)
1963年北海道生まれ。青山学院大学経営学部卒業後、出版社を経て1993年にフリーランスに転向。現在は陸上(駅伝)、サッカー、卓球などさまざまなスポーツや、伝統芸能など幅広い分野を取材し、雑誌、WEB、新聞などに寄稿している。「宮本恒靖 学ぶ人」(文藝春秋)、「箱根0区を駆ける者たち」(幻冬舎)、「箱根奪取」(集英社)、「箱根5区」(徳間書店)など著書多数。近著に「箱根2区」(徳間書店)。

