【大学駅伝】「早大にちょっとずつ負けている」出雲5位の中央大、藤原正和監督が全日本での逆襲を誓う (2ページ目)
【アンカーに1年生を起用した理由】
その三宅は自信を膨らませて出雲を迎えた。
「ホクレンで自信がついて、夏合宿ではしっかり練習ができました。特別なことはしていなくて、与えられたメニューをコツコツやっていたら、岡田さんや藤田さんと同じか、それ以上の練習を積めたので、今回はやれる自信がありました」
次代のエース・三宅に加え、昨年の出雲で2区11位に終わり悔しさを噛み締めた濵口が4区に入り、2年生コンビが中軸を担った。
ここに今季の中大の充実ぶりがうかがえた。2年生コンビを力のある上級生で挟み、精神的な負担を軽くして走らせる。どんな展開にも対応できる布陣だった。そして極めつけは、6区の栗村だ。「アンカーに1年生?」と懐疑的な視線を向けた人も多かったが、藤原監督は「早大の三羽ガラス(増子陽太、本田桜二郎、新妻遼己の1年生3人)と変わらない力がある」と評した。
「栗村は、アンカーをまかせられるぐらいの力が高校時代からありますし、夏合宿もしっかりとこなしてきました。早大の三羽ガラスの評価が高いですけど、栗村は同じような実績を残しても評価してもらえないので、かわいそうだなと。うちは駅伝などを外してきているので、そういう見方も影響しているのかなと思いますが、彼はタフな選手ですよ」
役者が揃い、優勝の機運は高まっていた。
「うちは出雲と全日本はまだ勝ったことがない。ゼロをイチにしたい。成し遂げたいですね」
いざ、決戦の幕が開いた。だが、期待や自信とは裏腹に、駅伝は思い通りにはいかない。中大は3区終了時点で早大に7秒差をつけられ、4区終了時には26秒差まで広げられた。5~10秒のリードを奪うプランとは逆に、差を広げられる展開となった。アンカーの栗村に襷が渡った時点で中大は3位。トップを走る早大との差は32秒に広がり、逆転は絶望的な状況だった。栗村は襷を受けた時、早大の本田桜二郎(2区)、新妻遼己(4区)ら1年生が区間賞を獲得していたため、「自分も」と気合を入れて走り出した。
「最初、ペースを上げていったんですが、追う展開で暑さもありましたし、しかも前が(早大の)工藤(慎作、4年)さんなので、追いつくのはちょっと難しいかなと思いました。途中で(國學院大の)髙石(樹、2年)さんに追いつかれてからはついていけませんでした。もう全然動かなくなってしまいました」
栗村は順天堂大、帝京大、駒澤大との順位争いで一時後退し、7位まで落ちかねない状況となった。それでも粘って盛り返し、5位でフィニッシュした。
優勝を目標に掲げていたが、悔しさの残る結果となった。1区で区間3位だった藤田は、厳しい表情でこう振り返った。
「この結果は、1区の自分の責任です。10秒ぐらいは自分のところでアドバンテージを取って岡田に渡したいと思っていたんですが......。シンプルに自分が弱かった」
次代のエース・三宅も「悔しい」と表情を歪ませた。
「2位で襷をもらって(早大の)鈴木君との勝負になり、突っ込んで粘るレースはできたかなと思うんですけど、結果的に7秒差をつけられて負けてしまった。(各区間での)こうした負けが積み重なって、この結果になったと思います。自分たちは誰も大きな失敗をしていないんですけど、100%の走りはできていない。逆に早大はみんな100%の走りで、それが区間賞になって表れていた。それが最終的に大きな差になって出たのかなと思います」
三宅は従来の区間記録に並ぶタイムをマークしたが、同区間で3人が従来記録を更新したため、区間4位だった。
藤原監督が狙った1区、2区、3区で先行するプランは不発に終わった。
「藤田も岡田も序盤からキツそうな表情をしていたので、『うーん』と思っていたんですけど......。思っていたほど動けなかったなと感じました。三宅はやりたいことはやってくれたと思いますが、エースの自覚を持ってやっていかないといけない。もっと伸びのある走りができるはずなので、全日本で体現させたいですね。
4区の濵口も悪い走りではなかったんですけど、もう一段期待できる選手なので、全日本でリベンジさせたいです。栗村は1区の藤田と入れ替えることも考えましたけど、最初に主導権を握りにいこうと考えての配置でした。栗村は暑いのが苦手なほうなので、苦戦するかなと思ったけど、最後は意地で5位を持ってきてくれたので、さすがだなと思いました」
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