駒澤大・佐藤圭汰、箱根駅伝の屈辱をバネに5000m室内日本最高記録を樹立「大学での一番の目標は、やはりパリ五輪」 (2ページ目)
【トラックの延長で箱根にも対応する】
一方、1万mでは初レースとなった昨年11月の八王子ロングディスタンスで日本学生歴代2位、U20日本記録となる27分28秒50を出していた。
「1万mに出たのは、箱根につなげるというより、ただ自分がどのくらいで走れるか知りたかったので出ただけ」と言うように、無理に距離を伸ばさないスタイルで強化している段階でもある。
箱根3区でこれまでの日本人最高記録を大きく上回る1時間00分13秒で走ったことは、能力のある証拠でもある。だが、佐藤本人は20kmで力を出しきることにまだ自信を深める段階には至っていない。
「実際に自分が3区の序盤5kmを14分で行って、そこから後半あまり落ちなかったというのは、やっぱり太田さんと駆け引きをした結果だったと思います。もし独走になった時に自分ひとりで押していけるかってなるとちょっとわからない」
また、12月中旬の会見で希望区間を1区と公言し、区間記録を狙いたいと口にしたことに関しては、周囲に与えたインパクトほど、大きな意味があったわけではないという。
「あれは希望区間を聞かれたから答えただけです。自分がもし1区だった場合、留学生が飛び出した時に多分張り合っていたと思うので、篠原(倖太朗/駒澤大3年)さんのような良い記録(区間賞/1時間01分02秒)が出たかわからないので、結果として3区でよかったと思います。
ロードとトラックだとパワーの入れ方が全然違う、別物だなと感じました。出雲、全日本とトラックやってきたなかである程度結果は残せていたのでそんなに不安要素はありませんでしたが、20㎞となると根本的なスタミナも必要で、やっぱり違うなと感じました」
佐藤にとってはトラック種目で世界を目指すことが競技における優先事項ではあるが、その中で箱根に挑戦することに迷いはないという。
「20㎞に対応するといっても、トラックシーズンでも長い距離を走る練習も普通にしているので、やることは変わりません。出雲や全日本に合わせる時も、ふだんよりその量が多くなっただけという感覚です。箱根に向けて特別変わったことをしているわけでもなく、自分の競技力を上げる試みの中に箱根があるという感じです。
トラックを主に取り組むにしてもスタミナは絶対に必要だし、実際にアメリカの練習に参加してみると、1500mや5000mの選手でも30㎞走も普通にやっている。そういうところから見ても箱根に向けた練習は、必ずしもマイナスにはならないと思います」
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