始めて8カ月で準優勝。女子車いすテニスに突如現れた大谷桃子とは? (2ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

 堂森には10月のピースカップ決勝で敗れており、2度目の対戦でリベンジを果たした格好だ。実はこれまで高室にも、田中にも、初めて対戦したゲームでは敗れているものの、次戦で勝利しており、"同じ相手に連敗しない"学習能力も際立つ。

「負けず嫌いなんです。自分はチャレンジャー。失うものは何もないので」と大谷。「2020年の東京パラリンピックが目標ですが、私の場合は本当に試合経験が少ないので、1試合1試合を意味のあるものにしていかなければいけないと思っています」。

 敗戦から学び、吸収する姿勢は確実に結果につながっており、9月から本格的に指導する古賀雅博コーチは、「桃子は自分の考えをはっきり言うし、レスポンスも早い。まずやってみようという改革派で、私自身尊敬する部分でもあります」と話す。

 大谷は小学3年からテニスを始め、高校時代はインターハイに出場した実績を持つ。高校卒業後、薬の副作用のため車いすに乗るようになった。その後、家族の勧めで一度車いすテニスを体験してみたが、チェアワークとラケット操作を同時に行なう車いすテニスは、それまで経験したテニスとは全くの別物で、「思うようにいかなくて、一度離れた」。

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