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プロデューサー髙橋大輔の世界観がアイスショーで炸裂。世界選手権トップ10入りへ向け村元哉中と共に「まだ成長できる」 (3ページ目)

  • 小宮良之●取材・文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by Kyodo News

【世界大会へ向けまだ成長できる】

 髙橋は大勢のスケーターの力を借り、表現者として新たなフェーズに入りつつある。その経験は、競技者としてもフィードバックされるだろう。2022年の全日本選手権での『オペラ座の怪人』は出色の出来だったが、それを超えるものが今後は見られそうだ。

「シーズンの真ん中で、体力的には厳しいですけど、こうやってクリエイティブなことを考えるのも大事で。練習の追い込みから解放されたり、他のスケーターと交わることで逆にエナジーをもらったり。そこで頑張ろうってなるものなので」

 髙橋はそう言って、2023年への決意を込めた。2月は、「かなだい」として昨年に銀メダルを手にした四大陸選手権に挑む。3月には、2021年全日本選手権で北京五輪出場を逃した"因縁の深い"埼玉での世界選手権が開催される。トップ10入りが目標だ。

「シングルで復活し、アイスダンスをやるようになって、全日本で再び表彰台の真ん中にのるというのは、やっぱりうれしいです。でも、まだ成長できると思うので。世界選手権では完成形を見せたい」

 そう語っていた髙橋は、表現者としてどん欲だ。

【著者プロフィール】
小宮良之 こみや・よしゆき 
スポーツライター。1972年、横浜生まれ。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。

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