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羽生結弦がスーパースラムを達成したいま、楽しみにしていること (4ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • 能登 直●撮影 photo by Noto Sunao(a presto)

 こう話す羽生は、連続ジャンプにする予定だった最初の4回転トーループで着氷を乱すと、1オイラーを付けてから3回転サルコウを跳ぶ3連続ジャンプにした。だが、そこでリズムが狂ったのだろう。次の4回転トーループを連続ジャンプにしようという意識が強すぎたのか、転倒。その後、トリプルアクセルに2回転トーループではなく3回転を付けてリカバリーし、2.74点の加点をもらうジャンプにした。

 そんな乱れもあって演技構成点は91.28点。合計を299.42点にして勝ち切ったが、ショートプログラム(SP)のように納得の結果ではなかった。

 今回、四大陸選手権を初制覇したことで、ジュニアとシニアを通じた主要国際大会のすべてで優勝する"スーパースラム"を達成した感想を求められると、羽生は苦笑いを浮かべながらこう話した。

「この大会は16歳の時にいい演技をして銀メダルで、それからなかなか勝てないなと思いながらやっていたので、やっと獲れてよかったなと思います。とりあえず今回は、フリーのことは忘れて......(笑)。ショートがよかったうえでのスーパースラムだと思うので、総合的には『とりあえずよかったな』というところですね。あとはホッとしているのがいちばんです。本当はたぶん、世界選手権や五輪がいちばん最後に獲るべきものだったかもしれないですけど。今シーズンはスケートカナダ(で未勝利)の呪縛が(初優勝して)解けた。昨シーズンはグランプリシリーズ1戦目(に勝てないこと)の呪縛だとか、そういうものを少しずつ晴らしていけているので、そういった意味でも何かホッとしています」

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