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今シーズンは「和風」。羽生結弦が語った新プログラムの狙い

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi 能登直●撮影 photo by Noto Sunao

 6月12日のドリーム・オン・アイス(新横浜)で、羽生結弦は、数日前に公表していたとおり、新シーズンのフリープログラムのアイスショーバージョンを初披露した。

今シーズンのフリープログラムのショーバージョンを披露した羽生結弦今シーズンのフリープログラムのショーバージョンを披露した羽生結弦 笛と太鼓の音で力強く始まる、映画『陰陽師』に使用されている曲で、タイトルは羽生自らが『SEIMEI』と名づけた。あえて大文字のローマ字表記にしたのは、安倍晴明の名前にちなむとともに、「同じ発音の日本語が持つ、多様な意味を込めたいから」だという。

「今シーズンは、挑戦というか、自分の幅を広げてみようかなという思いがあって、いろいろな曲を聴いてみました。でも、なかなかシックリこないまま、自分に合うものは何なのかと試行錯誤しながら考えているうちに、『和ものもいいかな?』という思いが浮かんできたんです。それで日本のテレビドラマの音楽なども聴いて、海外の方々も観られるものがいいと思い(映画)『陰陽師』を選びました」

 この曲を選んだ羽生には、「たぶん今の日本男子で、"和"のプログラムを表現できるのは自分しかいないと思っている」という強い自負がある。自分だからこそ表現できる繊細さや、"和"の力強さ、体の線の使い方を突きつめ、「自分らしいプログラムにしていくこと」が今シーズンの挑戦のひとつだという。

 振り付けを担当したのは、昨シーズンのフリー『オペラ座の怪人』で初めて組んだシェイリーン・ボーン。今シーズンも彼女に依頼したことについて、羽生はこう説明する。

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