【男子卓球】中国超えの団体金メダルを決めた19歳・松島輝空が世界1位に 張本智和は「黄金時代の再来」へ強い決意 (2ページ目)
【張本が松島にかけた「勝つから待っとけ」の言葉の背景】
張本は第4試合に向かう前、最終の第5試合に備える松島に声をかけた。大きな話題を呼んだあのひと言だ。
「勝つから待っとけ」
エースの気概あふれるこの言葉には、布石があった。
今年4月から5月に開催された世界選手権ロンドン大会。団体戦の経験が少ない松島は、チームの流れを汲みながらプレーする団体戦特有の戦い方に戸惑い、本来の実力を発揮しきれずにいた。
その姿を間近で見ていた張本は、後輩に同じ轍を踏ませまいとしたのだろう。
「5番(第5試合)なんて、"勝ったほうが(チームが)勝つ"というだけだから、『もうシングルの決勝だよ』と、自分の第4試合に入る前に言いました。たとえ団体戦でも、結局は自分が主役になればいい。松島くんの性格を考えた時、『とにかく自分のために勝て』と。僕にできる最大の引き出しが、あの言葉だったかなと思います」
そう明かす張本には、大会前から抱いていたある強い思いがあった。それは、アジア競技大会を「日本の時代のスタートにしたい」という思いだ。
今回、日本男子が手にした金メダルは、1966年バンコク大会以来60年ぶりの快挙。さらに、卓球界全体に目を向ければ、別の大きな意味がある。
かつて1950年代から1960年代にかけて世界を席巻した日本に代わり、1970年以降は中国が台頭。2000年代に入ると中国の"一強時代"が訪れ、日本はその背中を追う立場に回った。
現在の日本男子代表を率いて2年目の岸川聖也監督にも、世界の頂点を目指した時代がある。岸川監督は2002年、水谷隼さんや、現在は女子の大藤沙月らを指導する坂本竜介コーチとともに、10代で卓球強豪国ドイツへ渡った。そして、世界標準の技術を日本に持ち帰った先駆者のひとりだ。
2 / 4

