香港に快勝。ラグビー日本代表、W杯に向けて「1%」成長

  • 松瀬 学●文 text by Matsuse Manabu
  • 築田 純●写真 photo by Tsukida Jun

 すべてが秋のワールドカップ(イングランド/9月18日開幕)に向けた強化策のひとつである。ラグビーのアジアチャンピオンシップの香港戦。勝利は当然、問題は日本代表がどう戦うかだった。

「スーパーラグビー」から一時帰国し、香港戦に出場した 山田彰仁。2トライの大活躍「スーパーラグビー」から一時帰国し、香港戦に出場した 山田彰仁。2トライの大活躍

「非常にタフな試練だった」と、日本のエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)は試合後、言った。過酷な環境下で選手に何より求めたのは「エナジー」だった。闘争心、覇気である。

「プレーの雑だったところがよくなった。選手たちの対応力、適応力には感心している。前回の韓国戦(4月18日)の出来は20%だった。きょうは21%に上がった。ここから毎日1%ずつ上げていけば、(W杯初戦の南アフリカ戦の)9月19日は100%になる」

 5月2日。秩父宮ラグビー場の気温は26度まで上がり、直前の合宿地の宮崎より10度ほど高かった。暑い。初夏のような陽射しのもと、日本代表は大型FWの香港に対し、「仮想南ア」を念頭に置いて戦った。

 一番のキーワードは「スペースにボールを運ぶこと」である。スピード勝負である。ラインの裏にスペースがあれば蹴り込んでつぶすこと。速いパス回し、早いテンポで攻めることだった。

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