【競馬】NHKマイルCは、人気の盲点ミュゼスルタンを狙え!

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

「日本競馬の顔」と言われる東京競馬場で、今週から5週連続でGIが開催されます。そのスタートを飾るのは、NHKマイルC(5月10日/芝1600m)。今年で20回目を迎え、3歳マイル王決定戦としてすっかり定着してきましたね。

 同レースは例年、勝ち負けは別として、常に「レースの軸」となる馬が存在していました。しかし今年は、どの馬が人気になるのかわからないほどの大混戦。そういう意味では、ジョッキーにとって、まさに腕の見せどころ、といったレースになるのではないでしょうか。

 そこで、ジョッキーに焦点を当ててレースを検討してみると、まずは横山典弘騎手に触れないわけにはいきません。先日の天皇賞・春(5月3日/京都・芝3200m)でも、ゴールドシップ(牡6歳)の手綱をとって快勝。ジョッキー経験者として見ても、本当にしびれる騎乗ぶりでした。

 特に、1周目の4コーナーを回ってきて、ホームストレッチに入ったところ。最後方にいたにもかかわらず、馬群の隊列から離れて外を走らせていました。通常、ゴールドシップのように気性面で問題を抱えるタイプの場合、レースでは馬の後ろにつけて前に壁を作り、脚をためるのがセオリーですが、それとは真逆の戦法を取りました。要は、ゴールドシップが行きたいときに行けるようなコース取りをしたわけです。

 横山騎手が考え抜いた末の乗り方だったのでしょう。その大胆な騎乗も、勝因のひとつだと思います。

 その横山騎手がNHKマイルCで手綱をとるのは、クラリティスカイ(牡3歳)です。同じ東京・芝のマイル戦で行なわれたいちょうS(2014年10月11日)で勝ち星を挙げています。その際も、横山騎手が名手らしい手綱さばきを見せて、馬の能力をすべて出し切っていました。

 また、前走の皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)の舞台でも、「有力馬を負かすとしたら、この乗り方しかない」といった、思い切りのいい騎乗を披露。逃げ宣言をしていたスピリッツミノル(牡3歳)の出方を確認しつつ、同馬が行かないと見るや、一気にハナに立って、逃げ戦法に打って出たのです。そしてその結果、10番人気だったクラリティスカイを5着と好走させました。

 あらゆるレースパターンを想定し、これまでも大舞台であればあるほど、あッと驚く騎乗で好結果を出してきた横山騎手。今回もどんなレース、どんな手綱さばきを見せてくれるのか、本当に楽しみです。

 天皇賞・春では、フェイムゲーム(牡5歳)を2着に導いた北村宏司騎手も素晴らしい騎乗ぶりでした。昨年もフェイムゲームの鞍上を務めましたが、6着。その悔しさを糧にして、今年は上位に食い込むことができたのでしょう。そして今度は、天皇賞・春で勝てなかった悔しさを、NHKマイルCにぶつけてきてくれそうです。

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