ロベカル、カフーら名サイドバックの系譜。歴代スターの共通点は
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サッカーの現役スーパースターやレジェンドプレーヤーの逸話をつなぎながら、その背景にある技術、戦術、社会、文化を探っていく連載。今回は、前回登場した現代SBの最高峰、ダニエウ・アウベスのプレーの源流となったプレーヤーたちを紹介する。
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サイドバックに名選手が多いブラジル
変幻自在のサイドバック(SB)として、先日コパ・アメリカのMVPにも選出されたダニエウ・アウベス。今回は彼の系譜をさかのぼってみたい。
ダニエウ・アウベスのプレースタイルの、源流となったジュニオール ダニエウ・アウベスはもともとサンパウロのファンだったそうだ。アイドルは右SBのカフー。2002年日韓ワールドカップではブラジル代表のキャプテンとして、優勝トロフィーを掲げた英雄だ。
カフーがいたころのサンパウロは名将テレ・サンターナに率いられた黄金時代で、リベルタドーレス杯とインターコンチネンタルカップを連覇した。92年は「ドリームチーム」のバルセロナ、93年は絶頂期のミランを撃破している。無尽蔵のスタミナで右サイドを駆け回るカフーは、その後イタリアのローマ、ミランで長く活躍した。
02年日韓ワールドカップで、カフーの反対サイドにいたロベルト・カルロスも破格のSBだった。この大会で全勝優勝したブラジルではロナウド、リバウド、ロナウジーニョの前線の「3R」が注目を集めたが、カフーとロベルト・カルロスこそ攻守にチームをリードした両輪だ。ともにスピード、運動量は驚異的。ロベルト・カルロスは左足の猛烈なキックで名を馳せている。
カフーとロベルト・カルロスは、いずれもDF、MF、FWのどこでもプレーできる能力があったが、結局1人で3つのポジションを兼任してしまった。ブラジルの両サイドはカフーとロベルト・カルロスで賄えてしまうので、チームに余力を残すことができたのは大きかった。
ロベルト・カルロスの前任はレオナルド。鹿島アントラーズでも活躍したので日本のファンにもお馴染みだろう。もともとレオナルドはプレーメーカーで、ロベルト・カルロスが出現してからは本来のMFに戻っている。同じ時代の右SB、ジョルジーニョもレオナルドと似たゲームを作れるSBだった。
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