ジェフユナイテッド千葉、16年ぶりのJ1復帰の可能性は? キーマンは大卒2年目の点取り屋

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 10月5日に行なわれたJ2第34節。ジェフユナイテッド千葉はザスパ群馬をホームに迎え、1-0と勝利した。

 すでにJ3降格が決まっている最下位の群馬に対し、J1自動昇格の夢こそついえたものの、第34節終了時点で4位につけ、プレーオフからの昇格の可能性を十分に残している千葉。お互いの立場を考えれば、この結果は妥当なものと言えるのかもしれない。

 とはいえ、千葉を率いる小林慶行監督の言葉を借りれば、「内容としては、すごくいいというわけではなかった」試合である。

 指揮官の言葉どおり、千葉の選手たちにはイージーなパスミスが目立ち、中盤での危ういボールロストも少なくなかった。

 しかし、だからこそ、チームの成長を示す価値ある勝利だったとも言える。

 小林監督は「自分たちのリズムで戦えない時に、どれだけ粘り強く戦うことができるか。(今季の)前半戦はそれがまったくできずに数多くの試合を落としてきた」と言い、こう続ける。

「ここ2試合はそういう時間が長くなったが、最後の最後で相手にやらせなかったとか、粘り強さとか、そういう部分では少しずつ選手がたくましくなっていると感じる」

 この試合に関して、とりわけ小林監督が選手を称えたのには、別の理由もある。「いつもならない判断の遅さに疲労を感じる。頭がついていってない」と振り返ったように、選手たちのプレーから明らかな疲労の蓄積を見て取ったからだ。

 今季の千葉は、J2と並行して行なわれている天皇杯でベスト8進出。それ自体、誇るべき成果ではあったが、その結果、残暑厳しい9月のリーグ戦の最中に、準々決勝を戦わなければならなくなった。

 小林監督曰く、「天皇杯(の試合)が入ったことで(過密日程になって)張り詰めた状態が続いていた」うえに、京都サンガF.C.に0-3と敗れた準々決勝は、「たかが1試合でも、あの京都戦は相当パワーを使い、ダメージを受けた敗戦だった」という。

 しかも、「そこから立ち上がるのは、またパワーを使う」と小林監督。天皇杯で敗退したあと、リーグ戦では3連勝を続ける選手たちを指揮官が称えたゆえんである。

 と同時に、緊張状態をどうにか乗りきったチームにあっては、その間に目覚ましい活躍を見せた選手の存在も見逃すわけにはいかない。

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