熊谷浩二は選手たちに伝えている。ジーコスピリッツは人生にも必要だ (3ページ目)
鹿島アントラーズのクラブハウスでは、トップチームのトレーニングだけでなく、高校生で構成されるユースチームの練習も行われている。
「こんにちは」「こんにちは」
そんな少年たちは、取材陣を見つけると、次々に挨拶してくれる。以前も挨拶をしてくれてはいたが、今のように大きな声が響き渡るほどではなかった。溌剌(はつらつ)とした空気を生み出したのが2014年からアントラーズユースを率いる熊谷浩二監督だった。
2006年より鹿島アントラーズ強化部スカウトに就任。遠藤康、大迫勇也や柴崎岳、昌子源、植田直通などの獲得に尽力し、2011年からユースチームのコーチを務め、2014年から監督としてチームを率いている。
ときおり笑顔を交えて話した熊谷浩二
――鹿島は毎年、有力な高校生を獲得しています。スカウト力の高いクラブだと思うのですが......。
「これもまた有難い環境だったのですが、長年スカウトを務めていた平野(勝哉)さんや椎本(邦一)さんという素晴らしい方々が築いた地盤があったので、僕のようにまったくの素人であっても、『鹿島のスカウト』として受け入れてもらえる部分がありました。もちろん、だからこその難しさもありましたが、ふたりの先輩からたくさんのことを教えて頂き、本当に勉強になる時間を過ごせました」
――やはり、鹿島アントラーズというブランドは生徒や親御さん、学校関係者にとっても魅力的なものなのでしょうか?
「もちろん、そうですね。何かを説明するまでもなく、『入りたい』と思ってもらえるクラブだということを強く感じました。ただ、同時に、『レベルが高く、競争が激しい』環境だということもみんな理解しているので、『試合に出られないかもしれない。だったら、別の選択肢を』というふうに考える選手もいて、そういうところでの戦いもありました」
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