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【サッカー日本代表】ワールドカップ前のシーズンが開幕 セルジオ越後が期待する欧州組、心配する欧州組の名前 (2ページ目)

  • 渡辺達也●構成 text by Watanabe Tatsuya

【若手欧州組の突き上げが物足りない】

 選手層という意味では、これまでの代表の主力の座を脅かすような新戦力が出現するかどうかも注目だ。

 いまや数えきれないほど多くの日本人選手がヨーロッパのクラブに所属していて、この夏も多くの選手が海を渡った。そういう状況を見て、「欧州組だけで日本代表が3チーム分つくれる」などと言う人もいるけど、ワールドカップの大舞台で日本代表の戦力になれる選手がどれだけいるかと考えると、そこまで選手層が厚いわけではないよね。

 はっきり言って、チームやリーグを選ばなければ、いまは誰でもヨーロッパに行ける時代。移籍先であまり試合に出られなかったり、数字を残せていなかったりする"名ばかり欧州組"も多い。チャンスをもらって挑戦するのはよいけど、大事なのはそこからステップアップできるかどうか。実際、いまの日本代表の主力はそうしたキャリアを歩んできた選手ばかりだ。

 その意味で、パリ五輪世代をはじめとする若手欧州組の突き上げは物足りなく感じるね。むしろ、ヨーロッパに渡ったものの、チーム(シント=トロイデン)と合わないと見るや半年で見切りをつけ、この夏、Jリーグに戻って早速ゴールを量産している小森飛絢(浦和レッズ)みたいな選手のほうが面白いよ。

 いずれにしても、ワールドカップ前の大事なシーズン、選手たちには明るいニュースをたくさん届けてほしい。

(15)>>「メキシコ五輪得点王」の釜本邦茂を知らずに来日したセルジオ越後は「実際に対戦して、すぐに納得したよ」「ペレも認めていた」

著者プロフィール

  • セルジオ越後

    セルジオ越後 (せるじお・えちご)

    サッカー評論家。1945年生まれ、ブラジル・サンパウロ出身。17歳の時に名門コリンチャンスのテストに合格し、18歳の時にプロ契約を結び、MF、FWとして活躍した。「エラシコ」と呼ばれるフェイントを発案し、ブラジル代表の背番号10を背負った同僚のリベリーノに教えたことでも有名。1972年に日本リーグの藤和不動産(湘南ベルマーレの前身)から誘いを受け、27歳で来日。1978年から日本サッカー協会公認の「さわやかサッカー教室」で全国を回り、開催1000回以上、のべ60万人以上を指導した。H.C.日光アイスバックスのシニアディレクター。日本アンプティサッカー協会最高顧問。公式ホームページ【http://www.sergio-echigo.com】

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