勝因は平均171cmトリオの躍動。日本の強みを再確認したウルグアイ戦 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Etsuo Hara/Getty Images

 認識を新たにしたのは南野拓実(ザルツブルク)だ。これまでは、ディフェンダーを背にボールを受けるプレーが苦手のように見えた。身体が前を向いた状態でないと好プレーは期待できない。かといって、サイドに適性があるようにも見えない。使い方が難しい選手に見えたのだが、青山敏弘(サンフレッチェ広島)の縦パスを、マーカーを背にしながらボールを受け、反転してシュートを決めたパナマ戦に続き、ウルグアイ戦でも同様な形からゴールを決めた。

 前半10分、中島翔哉(ポルティモネンセ)のスルーパスを中央で受けると、時計と反対回りに即反転。右足でゴールを叩き込んでいる。

 ウルグアイのセールスポイントは、ディエゴ・ゴディン(アトレティコ・マドリード)が真ん中を締める固い守備だ。そこを開始早々、正面からいきなりグサリと突き、先制ゴールを奪った。これが、ウルグアイが最後まで本領を発揮できなかったことにつながった。

 南米の強豪の調子を狂わせる見事な一撃は、その鋭い反転ターンに起因していた。2試合連続なのでマグレということはないだろう。さらにサイドでプレーすることも可能ならば、多機能型プレーヤーとして、出場機会はさらに増えることになる。将来どんなスタイルのアタッカーになるか。南野には底が割れていない魅力を感じる。

 しかし、それ以上に目を惹いたのは、その南野に鋭い縦パスを送った中島翔哉だ。身長167cmは、日本代表で一番小柄ながら、もっとも俊敏だ。

 低身長国・日本は、背丈の小さな選手より大きな選手に憧憬を抱いてきた。大きくて巧い選手を血眼になって探してきた。その象徴が大迫勇也(ブレーメン)になるのだが、それはともかく、その一方で、小さくて巧い"日本人的"な選手をなんとなく軽視する傾向があった。

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