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【プロ野球】阪神・藤川球児は岡田彰布の野球をどう進化させたのか? 江本孟紀が解き明かす球団史上初のリーグ連覇の舞台裏

  • 水道博●文 text by Hiroshi Suido

 前監督の岡田彰布氏が築いた強固な土台を、藤川球児監督はいかに進化させたのか。就任2年目の今季、阪神は球団史上初のリーグ連覇を達成した。近本光司の長期離脱、救援陣の柱だった石井大智の不在など、決して順風満帆ではなかったシーズン。それでも勝ち切れた理由はどこにあるのか。江本孟紀氏が藤川監督の采配を徹底分析する。

球団初のリーグ連覇を達成し、胴上げされる阪神・藤川球児監督 photo by Kyodo News球団初のリーグ連覇を達成し、胴上げされる阪神・藤川球児監督 photo by Kyodo Newsこの記事に関連する写真を見る

【連覇のカギは不動の上位5人】

── 阪神が2年連続でリーグ優勝を果たしました。

江本 昨年は岡田彰布監督の"遺産"がありましたが、2年目の今年は藤川球児監督の真価が問われるシーズンでしたね。そのなかで近本光司が4月26日の広島戦で左手首付近に死球を受けて骨折し、約2カ月半にわたって戦列を離れました。その間、1番にはドラフト1位ルーキーの立石正広らを試しましたが、近本は復帰後にしっかり巻き返した。9月22日には新人から8年連続となるシーズン100安打を達成しました。

── 近本選手の離脱はありましたが、上位打線はほぼ固定されていたということですね。

江本 1番・近本、2番・中野拓夢、3番・森下翔太、4番・佐藤輝明、5番・大山悠輔。この5人が基本線でした。藤川監督は6番以下の打順をいろいろ入れ替えています。捕手も坂本誠志郎だけでなく、伏見寅威や梅野隆太郎を起用したりね。

── 岡田監督時代は佐藤輝選手が5番に入り、森下選手は6番を打つこともありました。

江本 藤川監督はそれを3番・森下、4番・佐藤輝、5番・大山という並びに再編し、固定した。昨年から今年にかけての阪神打線をたとえるなら、1〜5番は"プレミアム席"、6〜8番は"自由席"と言えるでしょう。

── 10月7日終了時点で、佐藤輝選手が打率.308でリーグ1位、森下選手が.292で3位、中野選手が.288で4位。大山選手も.284で5位につけています。近本選手も規定打席には届いていませんが、打率.307です。

江本 そりゃ強いですよ。12球団を見渡しても、これだけ上位打線が揃っているチームはなかなかありません。それが連覇できた最大の要因です。もう本当に簡単明瞭な話でね、野球ってそういうものなんです。逆に言えば、ほかのチームはクリーンアップがなかなか揃わない。だから今季の阪神は、この"自由席"を藤川監督がどれだけ自分の感性でグレードアップさせられるかが注目されました。やりがいがあったんじゃないでしょうか。

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