「ポスト吉田正尚」の最有力、オリックス来田涼斗が目指す「糸井嘉男のフィジカルと吉田正尚の打撃力」 (3ページ目)

──　高校時代は相手投手によって足を上げる時間を長くしたり、短くしたり、いろいろと試行錯誤していた印象もあります。あれはその時のフィーリングですか？

来田　そうです。その時、その場に応じて対応していました。

──　高校では２ストライクをとられたあとは、足を上げずにノーステップに近い打法で打つように指示されていたようですが、不満はなかったですか？

来田　いや、そんなことはないです。高校の時もたぶん、気分によって足を上げていましたからね（笑）。はまっている時は、自分の思うがままという感じで。

　理屈以上に感覚を重視する打者ということは十二分に伝わってきた。それにもまして、来田のマイペースぶりが浮き彫りになる問答だった。

「プロ入り後に心境の変化はありましたか？」と問うと、来田はきょとんとした表情で「いや、プロのほうがマイペースにできています」と答えた。もはや「究極のマイペース」と評したいメンタリティーである。

【吉田正尚からの教え】

　プロ入り後、来田は同僚となった吉田正尚から大きな影響を受けていく。もともと来田にとって吉田は憧れの打者だった。

──　プロ入り後の来田選手の打撃を見て、まず「吉田選手と雰囲気が似てる」と感じました。真似した部分もあったのでしょうか？

来田　そうです、はい。

──　それはタイミングの取り方？

来田　はい。

──　吉田選手のタイミングの取り方は、どんなポイントがあったのでしょうか？

来田　......タイミングの取り方ですか？　難しいです。

──　ここもフィーリングがかなり大きいですか？

来田　はい（笑）。

──　吉田選手の真似をするなかで、「これいいな」という感覚があったのでしょうか？

来田　いや、真似しても全然打てなかったんで。（吉田に）言われたことを自分の打ち方のなかに入れていった感じです。

──　吉田選手からのアドバイスで、重要だと感じた部分があったら教えてください。

来田　言葉ではちょっと難しいですね（笑）。

──　体で覚えるしかない？

来田　そう、体で覚えるしかないです。