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【ドラフト2026】「村上頌樹を思い出すキャッチボール」 智辯学園の指揮官が惚れ込んだ杉本真滉の才能とは? (4ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Shiro Tanigami

 ところが、すぐさまこんな言葉が続いた。

「でも、何も言わなかったら、ブルペンで200球とか投げてますね」

 そう言って、指揮官は愉快そうに笑った。

 投げることが好きで、多くの球数を投げても大きくコンディションを崩さない。その強さを支える要因のひとつが、無理のない投球フォームなのかもしれない。

 選抜決勝の大阪桐蔭戦を思い返しても、大会5試合目の登板とあって、ストレートの勢いはたしかに落ちていた。それでも、マウンドを降りるまで大きく制球を乱すことはなかった。

「フォームがいいから、そこまで疲れないし、大きくは乱れない。だから無理なく数も投げられるし、ヒジや肩への負担もかかりにくいのでしょう」(小坂監督)

 このあたりについて本人に尋ねると、あっけらかんとした答えが返ってきた。

「高校に入ってから、ケガ人になったことはないです。骨折とか、投げられないとか、そういう『ちゃんとしたケガ』をして、ケガ人になったことがないんです」

 なんともユニークな言い回しだ。だが、長いシーズンを戦い抜かなければならないプロの世界では、技術や球速だけでなく、丈夫な体も大きな武器になる。

【次は自分が憧れられる存在に】

 そして今、その杉本が、幼い頃から憧れてきたプロ野球の世界に手の届くところまで来た。子どもの頃は阪神ファンの祖父に連れられ、甲子園球場に足を運んで声援を送っていたという。かつてスタンドから見上げていた世界が、いよいよ現実味を帯びてきた。

 杉本自身、プロ野球をどのような世界だと捉えているのだろうか。

「毎日が戦いだと思っています。野球が仕事で、アカンかったらすぐクビを切られる世界。でも、活躍したらファンの人たちから応援してもらえたり、夢中になってもらえたり、夢のある仕事。将来は子どもたちから『杉本選手みたいになりたい』と憧れられるような選手になりたいです。そのためにも、今はとにかくドラフトで指名されること。そこしか頭にありません」

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