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【ドラフト2026】「村上頌樹を思い出すキャッチボール」 智辯学園の指揮官が惚れ込んだ杉本真滉の才能とは? (2ページ目)

  • 谷上史朗●文 text by Shiro Tanigami

 なかでも、一段と目を輝かせたのが、決勝で日本打線をわずか1安打に封じた韓国の194センチ左腕、河弦丞(ハ・ヒョンスン)の話題になった時だった。

「ホント、えぐかったです。選抜で戦った川本(晴大/大阪桐蔭)も、2年春でこれはすごいと思いましたけど、また違いました。バッターが『当たらん』って言ってましたから。とくにスライダーが消えるって」

 世界にはとんでもない投手がいる。そう感じたのではないか。

「思いました」

 短い言葉に、率直な驚きがにじんでいた。

 しかも、河は杉本と同じ高校3年生。この先、互いに野球を続けていけば、どこかで再び対戦する日が来るかもしれない。プロの世界に進むということは、そうした可能性が広がることでもある。

【追い求める理想のストレート】

 一方、国際舞台で強豪国の打者と対戦したことで、自分自身の武器も再確認できたという。

「やっぱり自分は真っすぐの質。そこをあらためて思いました」

 力のある韓国打線を相手に、これまでの自己最速149キロを1キロ更新し、ついに150キロの大台に到達した。それでも杉本がこだわるのは、球速ではない。

「自分もバッティングが好きで、バッターは手元で力のある球がイヤなのはわかるんです。でも、そういう圧だけじゃなくて、球持ちのよさとか、フォームの見にくさとか、体感の速さとか、ボールの重さとか......。いろいろ備わったボール。そういう意味での質です」

 ただ速いだけではない。打者が速く感じ、差し込まれ、思うようにバットを振れないボール。それこそが杉本の追い求める理想のストレートなのだ。その考えにたどり着いた背景には、昨年夏と秋に味わった2度の敗戦があった。

「夏に負けて、秋の近畿大会もよくなくて、決勝でもリリーフで出て負けて。そのなかで、このままじゃ選抜も夏も勝てない、考え方も技術もすべて変えないと勝てないというくらいの気持ちになったんです。ストレートも、ただ速い球を投げてもダメ。もっとバッターが嫌がるボールを投げないと、と思うようになったんです」

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