ドルトムントはドロー。香川真司に今、欠けているもの

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 ブンデスリーガ、ホッフェンハイム対ドルトムントは1-1の引き分けに終わった。ドルトムントにとっては勝てそうで勝てない、もどかしい展開の一戦だった。

 ともにカウンター主体で攻め合い、ゴール前の攻防が多く見られた。「我々はスペースを消すために、たくさん走らなくてはいけなかった。先制されるまでは目が覚めていなかった。(相手)FWのフォラントにはツヴァイカンプフ(1対1)でやられた」と、クロップ監督は振り返った。前半33分、そのフォラントに先制され、2分後にCKから1点を返したものの、逆転には至らなかった。

 120分プラスPK戦まで戦ったドイツ杯準決勝バイエルン戦の後遺症は明らかだった。リーグ優勝を決めた強豪相手に、敵地での一発勝負。高い集中力を要する試合で、精神的にも肉体的にも疲労を強いられたはずだ。

 ホッフェンハイム戦に先発した香川真司(ドルトムント ホッフェンハイム戦に先発した香川真司(ドルトムント「多少なりとも(影響は)あったと思いますけどね。前半とかは特に重かったです、みんな」と、74分までプレイした香川真司は語る。そのトーンは重く、低く、いつもより早口で、引き分けという結果が相当に堪(こた)えている様子だった。

 クロップの退任が発表されてから4試合目。リーグ戦での連勝は2で止まった。順位が近く(試合前の時点でドルトムント8位、ホッフェンハイム7位)、来季のヨーロッパリーグ(EL)出場権獲得のためにも下しておかねばいけない相手から勝ち点3を奪えなかったという意味でもダメージは大きかった。「EL出場権のことは頭にあったか?」という質問に対しては、「もちろんあったと思います。だから勝ちきりたかったです」と、認めた。

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