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箱根駅伝2025 早稲田大上位進出のカギを握る「一般組」4年生たちの誓い

  • 和田悟志●取材・文・写真 text & photo by Wada Satoshi

早大のエントリーメンバーに名を連ねた6人の4年生(右から石塚、伊福、菅野、草野、伊藤、和田) photo by Wada Satoshi早大のエントリーメンバーに名を連ねた6人の4年生(右から石塚、伊福、菅野、草野、伊藤、和田) photo by Wada Satoshi

2025年1月2日・3日に行なわれる第101回箱根駅伝(217.1km/往路107.5km・復路109.6km)。2年連続シード権獲得中の早稲田大は、春先からチーム全体で活気を帯び、駅伝シーズンに入っても、出雲駅伝6位、全日本大学駅伝5位と上位をうかがえる位置につけている。

その要因は、過去に好成績を残した時と同様に、スポーツ推薦組とそれ以外のいわゆる一般組がチームとして醸成されていること。

果たして箱根では、どんな走りを見せてくれるのか?

【2年連続で箱根路を踏んだ一般組の伊福と菅野】

 早大といえば、「スポーツ推薦組」と、指定校推薦や系属校、一般入試から成り上がったいわゆる「一般組」が融合した時に、これまで箱根駅伝で成果を上げてきた。

 それはスポーツ推薦の枠が3人程度と他大学に比べて圧倒的に少ないからで、スポーツ推薦の選手だけで16人のエントリーメンバーを構成できないという事情がある。

 だが、高校時代に全国トップクラスの実績を挙げた選手たちが入ってくるチームだ。そんな選手たちを相手に、一般組がメンバーを勝ち取るのは簡単なことではない。

 そして今年度の4年生は、一般組が大多数を占める。

「僕らの学年はスポーツ推薦が少なくて、例年の早稲田のように個性がギラギラと立っている学年ではない」

 駅伝主将の伊藤大志が言うように、今季の4年生は例年にはないメンバー構成となった。

 今回の箱根駅伝のエントリーメンバーには4年生6人が名前を連ねた。その6人の所属学部と出身高校は、以下の通りだ。

 石塚陽士 教育学部 早稲田実業高(東京)
 伊藤大志 スポーツ科学部 佐久長聖高(長野)
 伊福陽太 政治経済学部 洛南高(京都)
 菅野雄太 教育学部 西武学園文理高(埼玉)
 草野洸正 商学部 県立浦和高(埼玉)
 和田悠都 先進理工学部 早稲田実業高(東京)

 6人のうちスポーツ推薦はなんと伊藤だけで、そのほかの5人は「一般組」。もっとも、系列の早実高出身の石塚は高校時代から全国区で活躍しており、「一般組」と呼ぶことはためらわれるので、この記事では石塚を別枠扱いとする。

 この学年は一般組が多いだけでなく、所属学部も多彩だ。

 このうち、最初に箱根で出番を勝ち取ったのが、伊福と菅野だった。

 彼らが2年時、2023年の第99回大会で、伊福が8区、菅野が10区を走り、ともに区間10位とまずまずの走りを見せた。チームも総合6位となり、シード権奪還にも成功した。

 その翌年の前回大会も、伊福と菅野は2年連続で同じ区間を走り、ともに区間5位と成長した姿を見せた。

 伊福はその後、2月の延岡西日本マラソンで初マラソンに挑戦し、学生歴代6位(当時)となる2時間09分26秒の大会新記録で優勝を飾っている。

「1年目、2年目は"とりあえず箱根に出たい"と思っていましたが、2年目で箱根を走ってからは"出るだけではダメだ"と思って、一段階上の取り組みをし始めました」

 こう話すように、伊福は、箱根を経験したことで競技への向き合い方が変わり、その経験をレベルアップにつなげた。

「前回の箱根は最低限の目標はクリアしましたが、上位争いや優勝争いするチームは全員が区間3位前後で走っています。一般組も推薦組も関係なく、全員がそういう走りをしなければいけないと思っています」

 総合3位以内というチーム目標を成し遂げるために、これまで以上の走りを誓っている。

 菅野も伊福と同様に「今回は、まかされた区間で確実に区間3位以内っていうのは狙っていきたい」と決意を口にしている。

 今季は、春先に貧血になったり、オーバートレーニング気味になったりと出遅れたが、夏合宿ではしっかり練習を積み重ね、秋以降は調子を上げてきている。

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著者プロフィール

  • 和田悟志

    和田悟志 (わだ・さとし)

    1980年生まれ、福島県出身。大学在学中から箱根駅伝のテレビ中継に選手情報というポジションで携わる。その後、出版社勤務を経てフリーランスに。陸上競技やDoスポーツとしてのランニングを中心に取材・執筆をしている。

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