検索

電気・ガスが止まる、食べるお金がない、家はナメクジだらけ 競輪・佐々木豪を磨き上げた高校時代のたったひとりの生活 (5ページ目)

  • text by Sportiva

 父親との会話によって、佐々木は志を新たにした。次に狙うのはさらなる高みだ。2018年にGⅠに初出場した佐々木は、2024年以降は年6回あるGⅠにすべて出続けている。10月9日(金)~12日(月・祝)には、今年5回目のGⅠ「第35回 寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント」が新潟県の弥彦競輪場で開催されるが、そこにも出場が決まっている。

「デビュー当時からずっと言ってきたことですが、僕は走るからには頭しか狙わない。その気持ちが強すぎて動きが悪い方向に向かうことがあったんですが、オールスターで決勝に乗れて、気持ち的に余裕ができました」

 当然、10月のGⅠでも狙うは優勝だ。

「本当にGⅠは獲りたいですし、グランプリも走りたいですよね。それがプロになった当初からの目標なので、その夢は叶えたいと思っています。それに最初は僕だけの夢だったんですけど、それが後援会の方々も含めてみんなの夢になっているので、それがすごく大きなモチベーションになっています」

 育ってきた家庭環境は幸せとは言えないもので、両親を恨んでも仕方ない状況だったが、佐々木の表情からはいっさいそれが感じられず、「不幸だとは思っていない。あれがあったから今の自分があるとめちゃくちゃ思っている」と逆に感謝の念さえ口にする。

 艱難(かんなん)を乗り越え、周りのサポートに感謝し、常軌を逸するほどの努力をしてきた佐々木。この先きっと大輪の花を咲かせてくれるのではないだろうか。それができるだけの心を磨き上げてきたのだから。

【Profile】
佐々木豪(ささき・ごう)
1996年3月16日生まれ、愛媛県出身。幼い頃から競輪選手を目指し、高校から自転車競技を始める。日本競輪学校(現日本競輪選手養成所)には2度目の受験で合格。2016年にプロデビューすると、2年後の2018年にS級に昇級し、同年にGⅠ初出場。2024年より全GⅠに出場し、2026年8月のGⅠオールスター競輪で初の決勝進出を果たした。

フォトギャラリーを見る

5 / 5

登録は簡単! チェックを入れてボタンを押すだけ 詳しくはこちら

キーワード

このページのトップに戻る