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【プロレス】ジャイアント馬場がドリー・ファンク・ジュニアを完全無視 ケンコバが振り返る、全日レスラーたちの異変とその原因 (2ページ目)

  • 松岡健治●取材・文 text by Kenji Matsuoka

【三沢もいきなりのエルボー】

――確かに、ドリーさんが試合中にふらつくシーンは記憶にないですね。

「今となっては、秋山準というプロレスラーがえげつないことをやる男で、『実は鈴木みのるさんより意地悪くて怖いんじゃないか』ということを我々ファンは知っています。秋山さんはそこが魅力でもあるんですけど、当時の秋山さんはデビュー5年目で、頭髪もピシッと刈り上げて前髪を爽やかに上げていたし、タイツもブルーだった時代。爽やかでハツラツとしたイメージしかなかった男が、偉大なるレスラーのドリーさんにえげつないエルボーを突き刺した。ファンが知らない秋山準がそこにいたんです」

――当時の秋山さんは、冷徹な一面をまったく見せていませんでしたね。

「そうなんです。だから俺は、ドリーさんに寂しそうな顔をさせた秋山さんを見て、『どうしたんや?』と頭のなかにクエスチョンマークがグルグルと渦巻いたんです。しかも、不穏な動きはそれで終わらなかった。

 その直後、タッチして三沢さんが出てきました。三沢さんはドリーさんからプロレスの技術を授かった方だから、『これで試合は落ち着くな』と思っていた矢先、三沢さんもドリーさんの顔面にえげつなく硬いヒジを入れたんですよ」

――三沢さんもドリーさんとのロックアップを拒絶したんですか?

「いや、三沢さんはロックアップして、ドリーさんと腕を奪い合う正統的な攻防も繰り広げたんですが......。その展開のなかでヒジを入れたんです。ホースト・ホフマンに憧れ、『俺は強いって言われるより、うまいねって言われるほうがうれしい』と語っていたあの三沢さんが、ドリーさんの顔面に強烈なエルボーを入れた。それを食らったドリーさんは、また寂しそうな顔になって場外へエスケープしたんです。明らかに異常事態でした」

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