【ボクシング】山中慎介から見た「井上拓真vs.那須川天心」のカギは「最初の4ラウンド」 初戦と"距離感"や戦い方はどう変わるのか (2ページ目)
【セコンドも含めたジム同士の戦いにも注目】
――井岡戦では、ロープ際まで下がって、体を入れ替えるところでパンチを当てるような場面もありました。
山中 天心との初戦でもその動きを少し見せていました。拓真は相当自信をつけていると思います。
――両者、スピードのある選手ですが、その質は違いますか?
山中 静から動、ゼロからイチになる瞬間的なスピードでいえば、天心に分があると思います。ただ、試合全体の動きや攻防のなかでの切り替えという部分では、拓真が速い。同じ「スピード」でも種類が違うんですよね。
――初戦では、3ラウンドに流れが変わりました。
山中 拓真が距離を詰めて、先手先手で戦った。逆に天心は後手に回った印象がありました。
――セコンドの井上尚弥選手が「ガードを固めて前に出ろ」という指示を出したといいます。
山中 接近戦なら拓真が優位に戦えると見抜いたということですよね。ただ、セコンドが「いけ」と指示しても、実際にリングにいる選手がいけないことはあります。そこで指示どおり、勇気を持って前に出た拓真もすごかったと思います。
――セコンドを含めて、帝拳ジムと大橋ジムという大手ジム同士の戦いという見方もできます。
山中 リングサイドに帝拳の本田(明彦)会長、反対側には大橋(秀行)会長と、さらには尚弥もいる(笑)。そういう構図も含めて面白いですよね。相手をどう分析して、どんな策を授けるのか。試合中にセコンドがどんな指示を出すのか。そのあたりも見どころだと思います。
――拓真選手の練習パートナーは、坂井優太選手、田中湧也選手、片岡叶夢選手の同門サウスポー3人が務めています。
山中 のちの世界チャンピオン候補、才能あふれる若手たちです。もちろん天心とはスタイルが同じではないですが、スピードや技術はまったく劣らないレベルです。こうした環境も含めて、今の拓真の充実ぶりがあると思います。
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