2018.03.25

錦織圭、咳き込みながら初戦突破。
次のデル・ポトロ戦は復活の試金石

  • 内田暁●取材・文 text by Uchida Akatsuki
  • photo by AFLO

 ポイント間に咳き込む姿が、見る者にも息苦しさを感じさせる。

 長いラリー後にひざに手を当て、肩で息を整える様(さま)が、彼が何と戦っているかを物語る。

「ちょっと、長いポイントはきついですね。まだ咳が治っていないので……」

 試合後に明かすその間にも、軽い咳をひとつふたつと吐き出した。

フルセットまでもつれ込みながら初戦を制した錦織圭 約4週間前に引いた風邪は、その後も長く錦織圭の身体にとどまり、先週のインディアンウェルズ・マスターズは棄権せざるを得なかった。コーチのダンテ・ボッティーニによれば、「40度近く熱が出て、まともに練習できない状態が続いていた」という。

 そのような状況下で迎えたマイアミ・マスターズの2回戦(1回戦はシード免除)は、炎天下のなか、長く苦しい戦いとなる。

 久々の実戦ということもあり、「最初は緊張も硬さもあった」。左右に走らされると息が切れるのか、ミスをしては「あーっ!」と苛立ちの声もあげる。それでも彼は「カモン、カモン!」と自分を鼓舞し、ドロップショットやボレーでプレーに変化をつけながら、なんとか活路を見出した。

 スコアは7−6、4−6、6−3。2時間51分を戦い終えた錦織のほほや鼻は、激闘の爪痕を残すように赤く火照っていた。

 結果的にフルセットにもつれ込んだ試合だが、勝利への大きな足がかりとなったのは、苦しみながら奪った第1セットだ。

 先にブレークされ、ゲームカウント2−5からのサービスゲームでもミスが続き、2本のブレークポイントを許す。その窮状からまずはサーブ、そしてドロップショットとバックのストレートで巻き返すと、続くゲームをブレークした。5−6からのサービスゲームでもブレークの危機に瀕(ひん)するが、ここで渾身のウイナーを叩き込み、「カモーン!!!」と裂帛(れっぱく)の叫びをあげる。計6度のセットポイントをしのいだ錦織は、タイブレークの末に第1セットをもぎ取った。