【競馬予想】キーンランドCで注目すべきレースと縁がある血統は? 本命、対抗のスプリンター2頭をチョイス (2ページ目)
母系、父系ともにスプリンターの血を受け継ぐレイピアは、ここまで12戦4勝。重賞やオープン勝ちはないが、前走の会津S(3勝クラス、福島・芝1200m)を勝ってオープン入り。5月のGⅢ葵S(京都・芝1200m)では3着に入っている。
札幌を含めた北海道地区での出走はないものの、小倉、阪神、福島で勝利とコースを問わず結果を出しており、戦法も逃げ差し自在だ。12戦のうち10戦が3着以内で、6着以下はなく、負けてもすべて勝ち馬から0秒6以内に入るなど安定した走りを続けている。思えば、祖母クーヴェルチュールが勝利したのも3歳時で、このレースが重賞初制覇だった。レイピアもそれに続いてほしい。
【対抗は半姉が短距離に強い牝馬】
もう1頭はナムラクララ(牝3歳、栗東・長谷川浩大厩舎)を推す。
半姉は前述のナムラクレア(父ミッキーアイル)で、2023年の勝ち馬。ナムラクレアはGⅡ阪神C(京都・芝1400m)など重賞5勝。GⅠで2着3回、3着2回という、短距離部門の現役トップホースの1頭だ。
一方のナムラクララは、ここまで7戦3勝。今年1月の紅梅S(中京・芝1400m)を勝ち、初めての1200mだった前走のTVh杯(函館・芝1200m)を勝利してここに臨む。
姉ナムラクレアも、3歳夏にGⅢ函館スプリントS(函館・芝1200m)を勝っているように、3歳時から本領を発揮する血統。キーンランドCの傾向的に、2007年クーヴェルチュール、2016年ブランボヌール、2021年レイハリアと3頭の3歳牝馬が勝利しているのも心強い。
以上、今年のキーンランドCはクーヴェルチュールの孫レイピア、ナムラクレアの妹ナムラクララの2頭に期待する。
著者プロフィール
平出 貴昭 (ひらいで・たかあき)
主に血統分野を得意とする競馬ライター、編集者。(株)サラブレッド血統センター在籍。著書に『覚えておきたい日本の牝系100』『一から始める! サラブレッド血統入門』など。「週刊競馬ブック」で『血統見聞録』を連載するほか、「競馬四季報」などの編集業務にも携わる。そのほか、『優駿』などにも寄稿。twitterアカウント:@tpchiraide
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