久保建英のホーム最終戦になる可能性も? くすぶり続ける移籍説のなかで2戦連発なるか (3ページ目)
久保にとって4年目のシーズンになるが、多くの戦友が去った。ダビド・シルバが引退し、アレクサンダー・セルロート、ロビン・ル・ノルマン(ともにアトレティコ)、ミケル・メリーノ(アーセナル)、そしてスビメンディと次々に主力が移籍。代わりになるべき選手は低調だ。
久保が不満を覚えるのもわからないではない。
ただ、ラ・レアルは欧州トップクラブのなかで、最も下部組織出身選手が多くを占める。ウルコ・ゴンサレス、ジョン・マルティンなどは将来が嘱望されるし、ミケル・オヤルサバル、イゴール・スベルディアは健在だ。開幕戦で先発したベニャト・トゥリエンテス、アンデル・バレネチェアなどが本来の力を出せたら、好転する余地はある。
新監督に就任したセルヒオ・フランシスコは昨シーズン、サンセ(ラ・レアルのBチーム)を2部に昇格させた(プレーオフは別の監督だったが)。下部組織スビエタの功労者で、イマノル・アルグアシル前監督の後継にふさわしい。
開幕戦は4-3-3を選んだが、4-4-2の中盤ダイヤモンド型も準備し、停滞打破の兆しもある。スビエタ時代に指導した選手たちが多数いる点もアドバンテージだ。
8月24日(現地時間)、レアレ・アレーナ。ラ・レアルはホーム開幕戦で、エスパニョールを迎え撃つ。久保は2試合連発で4年目のシーズンに向けて腰を据えることになるか。もし移籍が決まった場合は、ホーム最後の一戦となる。
著者プロフィール
小宮良之 (こみやよしゆき)
スポーツライター。1972年生まれ、横浜出身。大学卒業後にバルセロナに渡り、スポーツライターに。語学力を駆使して五輪、W杯を現地取材後、06年に帰国。著書は20冊以上で『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など。『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューし、2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を刊行。パリ五輪ではバレーボールを中心に取材。
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