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チェルシー戦の注目はパウリーニョ。
バルサ「6番」の系譜とは何か

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Getty Images

 2月20日、FCバルセロナはプレミアリーグ王者チェルシーと、チャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦の第1戦を戦う。勝負のカギを握るのは、やはりリオネル・メッシだろう。しかし今シーズンのチームにはもう1人、彩りを与える「刺客」がいる。背番号15番のブラジル人MF、パウリーニョだ。

「バルサとパウリーニョ」

 大方の意見として、それは「取り合わせがよくない」と思われていた。

 バルサはパスゲームを信条とするクラブである。半数以上の選手がバルサの下部組織で育っており、それぞれがひとつのセオリーに基づいて動いている。そのため、相当の手練(てだ)れと言えるような選手でも、1年目は苦労する。高い次元でのスキルとコンビネーションが求められる、非常に特殊なチームなのだ。

 ブラジル代表MFのパウリーニョは、インテンシティやダイナミズムを感じさせる選手だ。屈強なボディを生かし、1対1でファイトし、ボールを奪い取ってそのままゴール前に攻め上がる。強力なシュートも持ち味と言える。

 一方でバルサのMFたちと比べると、パスやコンビネーションの面では難があると思われた。

 広州恒大(中国)からバルセロナに移籍、存在感を発揮しているパウリーニョ広州恒大(中国)からバルセロナに移籍、存在感を発揮しているパウリーニョ ところがふたを開けてみると、パウリーニョはプラスαになっている。バルサに足りなかったインテンシティやダイナミズムを注入し、フットボール全体としてのクオリティを上げた。セカンドストライカーのように得点を量産。ラ・リーガでは、リオネル・メッシ、ルイス・スアレスに次ぐ8得点を記録している。

 パスやコンビネーションに関しては、予想されたように滞る部分もあった。機能しなかった試合がないわけではない。ただ、マイナスを補ってあまりあるプラス効果があったのも事実である。

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