ベルギーで学んだJ指導者に聞く
「逆転負けしない日本」に必要なもの
2点を先行しながら逆転を許したロシアW杯決勝トーナメントのベルギー戦。日本のよさを十分に発揮して勝利に肉薄したとも言えるし、ギアチェンジして本気を出したベルギーの「個」の前には歯が立たなかったとも言える。
横浜F・マリノスジュニアユースの坪倉進弥監督は、昨年、JJP(日本サッカー協会とJリーグによる育成年代の強化を目的とした協働プログラム)による育成年代指導者の海外派遣の一環として、ベルギーの強豪アンデルレヒトに派遣された。ベルギー代表の主軸、ロメロ・ルカクやヴァンサン・コンパニもアンデルレヒトのアカデミー(育成組織)出身である。
貴重な体験をしてきた坪倉氏の目に、この一戦はどう映ったのか。あらためて振り返ってもらった。
後半アディショナルタイム、ベルギーのカウンターが炸裂した 「日本は良い試合の入り方をしましたね。20~25分くらいまで日本のペースでした。ボールを保持しながら、良い距離感で守備も攻撃も連動していましたし、ゴール前のシュートブロックもよくできていた。ベルギーは比較的、グループリーグが楽な組み合わせで、唯一厳しかったイングランド戦も9人を入れ替えていました。急に緊張感が高まったこの試合で日本ペースになったため、慎重になってしまったようなところがあった気がします。
その後、ベルギーはルカクを中心にシュートチャンスを作るようになり、日本が最後のところでしのぐ展開になりましたが、前半は0-0だったので、『これはもしかたら』と思いました」
――ベルギーは他の強豪国に比べると、メンタルの揺さぶりに弱い印象を受けました。日本に驚かされたという部分もあったのでしょうか?
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