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「コロンビア戦は大事件」と驚く杉山氏。
大迫の決勝点には必然性あり (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 PKで先制点をゲットしたうえ、相手は10人に減った。両者の実力が伯仲した関係にあるなら、この"プレゼント"は、ゲームへの興味を台無しにする判定になる。だが、コロンビアと日本の関係は、さにあらずだ。本来の関係は35(日本)対65(コロンビア)。それがこの判定で55対45に変化した。

 つまり、それでも日本が若干、有利になったに過ぎなかった。

 香川真司の好パスを乾貴士が外した前半15分頃から、雲行きは怪しくなっていく。そして39分、コロンビアMFフアン・キンテーロの直接FKを、GK川島永嗣がセーブし損ねて同点に追いつかれると、55対45の関係は、47対53ぐらいの関係で、コロンビア優位に変化したかに見えた。

 今度は、日本が攻め返す番だった。日本はキチンと攻め返すことができるか。このときスタンドには、同点ゴールで元気を回復したコロンビアサポーターの、地鳴りのような大歓声が湧き起こる。

 日本のお茶の間に、テレビ画面越しにどう伝わっていたのか定かではないが、サランスクのスタンドは、70%以上が黄色い軍団によって占められていた。対する日本のブルーはせいぜい5~6%。コロンビアの10分の1以下だった。

 日本サポは、まるでチャンピオンズリーグのアウェー観戦に出かけたサポーターのように、狭い一角に窮屈そうに収容されていた。これまでW杯5大会17試合中、16試合の日本戦を観戦してきたが、人数的にも、割合的にも、このコロンビア戦が最少だった。日本代表がこれほど不憫(ふびん)に見えたことはない。

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