元阪神ドリス「NPB復帰」を目指して高知で奮闘中 佐々木朗希世代「紀州の剛腕」にも好影響 (4ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke

【佐々木朗希・奥川恭伸と並ぶ素質は開花する?】

 メジャーやNPBの大舞台で活躍したベテラン投手のアドバイスや一挙手一投足は、独立リーグの若手にとって何よりのお手本になるだろう。対してドリスにとっても、夢を追いかける独立リーガーの姿に刺激は多いはずだ。青木氏は、ファイティングドッグスで生まれる相乗効果に期待している。

「どうすればスピードを上げられるのか。どうやったら相手打者を抑えられるのか。若手投手は毎日、目の前で"答え合わせ"ができるので、成長スピードがどんどん速くなると思います。

 一方、ドリスは日本食や日本文化が好きで、来日した翌日は鰻を食べていました。周囲にも積極的に話しかけ、自ら溶け込もうとしています。選手、人としてロールモデルになってくれるので、チームのみんなで高め合ってもらえたらと思いますね」

 果たして36歳になったドリスは、もう一度阪神か、あるいは他球団でNPBの舞台に立つことはできるか。

 高校時代に同世代の佐々木朗希(ロッテ)や奥川恭伸(ヤクルト)と並べて素質の高さが語られた落合は、ポテンシャルを開花させることはできるか。あるいは、ほかの日本人投手が刺激を受けて台頭してくるのか。

 高知の独立リーグから大きな夢を追いかける、男たちの挑戦の行方を楽しみにしたい。

プロフィール

  • 中島大輔

    中島大輔 (なかじま・だいすけ)

    2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。

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