元阪神ドリス「NPB復帰」を目指して高知で奮闘中 佐々木朗希世代「紀州の剛腕」にも好影響 (2ページ目)

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke

【36歳になったドリスにチャンスはある?】

 4月12日に行なわれた愛媛マンダリンパイレーツとのダブルヘッダー2試合目で初登板を果たすと、最速148キロのストレートやスプリットで2奪三振を含め三者凡退に抑えた。地元メディアが注目するなか、新天地で格の違いを見せつけた格好だ。

 もっとも、ドリスにとって独立リーグで活躍することはゴールではない。その先に見据えるのが、5年ぶりのNPB復帰だ。青木氏が続ける。

「今季もメキシコの球団からオファーを受けていたそうです。でも、もう1度NPBでプレーすることを目指すには何が必要かを考えて、うちの球団を選んでくれたのだと思います。日本でプレーしていれば、NPB球団のスカウトの目につきやすいですからね。家族をドミニカに置いて単身赴任で勝負をしにきていますが、年齢的に言っても覚悟がすごいなと」

 メキシカンリーグは世界で4番目の規模を誇り、目安として月給は100万円前後とされる。日本の独立リーグより給料はひとケタ多いなか、条件面で劣る高知球団を選んだのは、NPB復帰を見越してのことだろう。

 果たして、36歳になったドリスにチャンスはあるのか。球速に関し、青木氏にこう話していたという。

「初登板では最速148キロでしたけど、『阪神時代も日本に来た当初はそのくらいのスピードから始まり、暑くなって状態が上がってくると150キロ以上投げる』ということでした」

 青木氏は選手時代に高知球団でプレーし、現役引退後は日本ハムで広報として大谷翔平(現ロサンゼルス・ドジャース)の入団1年目を担当した。同球団出身の中村勝(現くふうハヤテベンチャーズ静岡・投手コーチ)がメキシカンリーグでプレーした際、通訳を務めたこともある。

 世界で豊富な経験を誇る青木氏の目に、ドリスの可能性はどう映っているのだろうか。

「フィジカルも健康ですし、コントロールもいい。スプリットも含め、コマンドがちゃんとできていることに、"上"で抑えてきた力を感じます。実績に加え、本人の性格や野球への取り組み方を見たら、NPBでも全然行けるなと。どのタイミングで行くのだろうかなと見ています」

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