若き清原和博が密かに明かした「苦手だったこと」を松永浩美が初公開 「これをうちの投手陣に言ったら......」

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

松永浩美が語る清原和博 後編

(中編:高校1年の清原和博の内野フライを見て「間違いなくプロにくる」 西武と巨人時代のバッティングの違いも語った>>)

 松永浩美氏が振り返る清原和博氏とのエピソードの後編は、松永氏が初めて話すという清原氏の"苦手なこと"、ファーストの守備などを語った。

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【全盛期に打ち明けた「苦手なこと」】

――清原さんとはオールスターゲームなどで話す機会があったと思いますが、どんなお話をされたのですか?

松永浩美(以下:松永) だいたいは他愛もない話ですが、ある時にキヨが"苦手なこと"を話してきたことがあるんです。「クイック(モーション)が嫌なんです」と。

 意外でしたよ。「こういう球が苦手」とか、「こういうピッチャーが苦手」という話ならわかりますが、クイックですから。プロであればクイックを投げる投手との対戦も当たり前ですしね。確か、キヨが24、25歳ぐらいの時のオールスターだったかと思うんですが、ベンチのなかではなく裏で話をしている時だったと思います。

――1990年前後、清原さんの全盛期と言ってもいい時期ですね。

松永 そうだったと思います。「クイックの時にどうやってタイミングを取っていますか?」と聞かれたので、「ゴロにも緩いゴロと速いゴロってあって、捕球するまでの動きが違うよね。そんな感じで違うよ。速い動きをした時に、力が抜けるかどうかだよね」と伝えました。

 キヨの場合はバッティングの時に膝でタイミングを取っていましたから、「膝の動きを小さくすればいいんじゃない?」という話もしたかもしれません。ただ、私がとりあえず伝えたかったのは、「クイックが苦手とあんまり思わないほうがいい」ということ。「俺はタイミングが合わないピッチャーがいても、あまり考えない。考えても変えようがないし、それを考えている時間が無駄じゃない?」と。

――松永さんのアドバイスによって、改善は見られましたか?

松永 そこまでは見ていませんでした。でも、仮に私のアドバイスどおりにやったとしても、本人のなかで変わっただけで、見た目は意外と変わらないものですけどね。

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