2019.10.16

どうにかしたいオリックス攻撃陣。
ドラフト補強は恐怖感ありの強打者だ

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

チーム事情から見るドラフト戦略~オリックス編

 今年2月、プロ野球の春季キャンプを見て回る機会に恵まれた。なかでも印象に残っているのがオリックスで、とくにブルペンがやけに威勢よく見えた。

「若手ピッチャーの勢いだったら、12球団ナンバーワンじゃないですかね。150キロ投げるのが4~5人いますから」

 チーム関係者の声に背中を押されて足を運んだブルペン。山岡泰輔、山本由伸、榊原翼、K-鈴木、鈴木優、本田仁海、漆原大晟……若い投手たちがそれぞれのパワーを競い合うように、捕手のミットめがけて投げ込んでいた。ミットからは心地いい捕球音が鳴り響き、ブルペンは活気に満ちていた。

アマチュア球界屈指の長距離砲であるパナソニックの片山勢三 今シーズン、山岡が13勝4敗で最高勝率(.765)、山本は8勝ながら防御率1.95で最高防御率のタイトルを獲得した。また、K-鈴木は山岡、山本に次ぐ19試合に先発登板して4勝をマーク。育成出身の榊原も13試合に先発し3勝を挙げるなど、若い力は着実に育っている印象を植えつけた。

 さらに、一軍登板はなかったが、ヒジの故障からカムバックした本田は、ウエスタン・リーグで再三150キロ台をマークするなど、来季の飛躍を予感させた。

 問題は攻撃陣だ。とにかく、今シーズンのオリックスは打ち負けた。

 チーム打率.242、得点544はリーグ最下位。だが、この数字以上に相手チームに与える威圧感という点で、西武やソフトバンクの打線にくらべて、かなり見劣りしていた印象が強い。

 打線のなかで相手投手に恐怖感を与えていたのは、わずか7厘足りずに森友哉(西武)に首位打者を譲った吉田正尚ぐらいではないか……。それほどシーズンを通して主軸を任された選手がいなかった。

 まさに孤軍奮闘の活躍を見せた吉田だが、腰に爆弾を抱えながら試合に出るのは、けっして楽じゃないはず。そんな吉田の心の支えになるような、頼りになるクリーンアップ候補がほしい。

 個人的には、来季2年目を迎える頓宮裕真がマスクを被って、クリーンアップに名乗りを上げてほしいと願っているが、それでもまだ足りない。なんとか今回のドラフトで、主軸を担える選手がほしい。