レアルとバルサ、2強を苦しめる「FIFAウイルス」の猛威

  • 山本美智子●取材・文 text by Yamamoto Michiko photo by Rafa Hueruta

 バルセロナとレアル・マドリード。この2強の国内リーグでの覇権争いが、今季もリーガ・エスパニョーラ最大の見どころであることに違いはない。

 今季、テレビ放映権収入の分配に関して見直しが行なわれたが、それによってレアルとバルセロナが受け取る報酬は年間1億4千万〜1億6千万ユーロ(約190億~216億円)、昨季3位のアトレティコ・マドリードと4位バレンシアは、その半分以下の4500万〜5500万ユーロ(約61億~74億円/経済紙Expansión 紙のデータによる)だ。

 このデータだけでも、1部リーグの他の18チームとは比べ物にならない規模の予算を操るビッグ2だが、それでも、お金だけでは解決できないこともあるからサッカーは面白い。

 今季は、レアルとバルサにとって波乱含みのスタートだった。

今季もレアルのゴールを守るケイロル・ナバス今季もレアルのゴールを守るケイロル・ナバス レアル・マドリードは今夏、クラブ生え抜きの至宝、GKイケル・カシージャスをポルトへ放出する決断を下したが、その後継者が移籍期間の最終日まで決まらなかった。クラブが望んでいたマンチェスター・ユナイテッドのダビド・デ・ヘアとケイロル・ナバスのトレードは、結果的に頓挫。今季の正GKのポジションは、2年目を迎えたナバスが手にすることになった。

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