井上尚弥vsグッドマン戦を田口良一が予想 井上尚弥と中谷潤人と拳を交えた元世界王者はこの先のビッグマッチも展望 (3ページ目)
【2年後、フェザー級で実現したら「面白い」】
中谷は、2023年5月にWBOスーパーフライ級でタイトルを獲得した試合あたりから、「自分のやりたいボクシングが実戦で出せるようになってきました」と語る。
そんなWBCバンタム級チャンピオンの言葉を耳にした田口は、うなずき、冷静に話した。
「自分も、スパーリングでやれていたことが、なかなか本番で出せない時期がありました。緊張しすぎていたり、上体が高かったり、スタミナが足りなかったり......、力を発揮するのに、デビューから15、16戦ほどかかりましたね。
中谷くんは『パフォーマンスが出せるようになった』と発言しているんですよね。それって、まだまだこれから強くなるってことですよ。発展途上なんでしょう。このレベルでは終わらず、数段上にいくはずです」
『RING』誌が2024年10月26日に発表したパウンド・フォー・パウンド・ランキングでは、井上は2位、中谷が9位。さらに同誌、および『CBS Sports』が昨年末にセレクトしたKO of The Yearも中谷のアンドリュー・モロニー戦が受賞した。
「井上くんがバンタム級だった頃の劇的な勝ち方と、ここ数戦の中谷くんのパフォーマンスは似たような感じですね。でも、自分は中谷くんがスーパーバンタムに上げて1戦目で井上くんとやるのは、勧めません。今戦ったら、井上くんが有利です。時が経てば差は縮まっていくでしょうが、現時点でふたりが試合をした場合、仮に10回やったらほぼほぼ井上くんが勝つと思います。ただ、10回やったら10回勝つと言えないところまで、中谷くんが近づいてきているとも感じますね。
中谷くんには、スーパーバンタムにアジャストする時間、試合が必要ですよ。自分もラストファイトとなった試合でいきなりフライ級に上げて田中恒成くんとやりましたが、ちょっと差があったような気もします(0-3の判定負け)。田中くんはパンチがありましたから、彼のパワーなのか階級差によるものなのかはハッキリしませんが、1.9㎏の違いが大きかったのかもしれません。中谷くんはスーパーバンタムに上げて、3戦はこなすべきでしょうね。
間違いなく差は縮まってきていますから、いつ、どの階級でやるかで明暗が分かれるんじゃないでしょうか。自分は、機が熟したらフェザー級でやったら面白いと考えます。時間はかかってしまいますが、2026年の末くらいなら中谷くんが肉薄しているでしょうから、フェザーでの激突が見たいです。井上くんは今、減量がキツいらしいので、お互いがハイパフォーマンスを出せるのはフェザーじゃないかとも感じますね。中谷くんも、どのパンチでもKOできるレベルまで自分を持ってきた。2年後は、より筋肉がついて技術も向上しているでしょう」
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