チャンコーチにスマッシュ連打。対策万全の錦織圭がマスターズに挑む
アジャストメント(adjustment=適応)――。テニスにおいてそれが重要だと、多くの選手たちが頻繁に口にする言葉だ。
毎週のように世界各地を転戦し、異なる国、異なる町、そして異なるコートで戦うテニスプレーヤーたちには、さまざまな面での適応力が求められる。
開幕前の「インディアンウェルズ・プレビュー」で笑顔を見せる錦織圭 試合中に相手のプレーに対応すること。あるいは、異文化のなかで経験するスタジアムの雰囲気に慣れること......。
2月にアルゼンチンとリオのクレー2大会を戦った錦織圭にとっては、悩みの種は「サーフェス(コートの状態)への適応」だった。
「バウンドが悪く、イレギュラーが多かったり、足もとが滑りにくかったり。あのコンディションのなかではよく戦ったかな、というのはあります」
リオオープンでの初戦敗退から、約10日後――。インディアンウェルズ・マスターズの会場を訪れた錦織は、南米での戦いをそう振り返った。
「確かにブラジルやアルゼンチンコートは、欧州のクレーとは少し違う」
錦織のコーチに就任して7年目になる、アルゼンチン人のダンテ・ボッティーニも証言する。「特にブラジルのクレーは、アルゼンチンとも大きく違う。かなり滑りづらい土だった」。
1 / 4