39年ぶりの栄冠へ。老舗牧場が宝塚記念で夢を託す、アンビシャス

  • 河合 力●文 text by Kawai Chikara
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

特集:宝塚記念 打倒!ドゥラメンテ(2)

 6月26日に迫ったGI宝塚記念(阪神・芝2200m)。上半期の総決算となるレースには、GIを複数勝っている"猛者"たちが顔をそろえた。

 昨年の3歳クラシックで二冠(皐月賞、ダービー)を達成したドゥラメンテ(牡4歳)をはじめ、昨秋にクラシック最後の一冠(菊花賞)を獲得して今春も天皇賞・春(5月1日/京都・芝3200m)を制したキタサンブラック(牡4歳)、そして昨年の古馬戦線で"主役"を張ってきたラブリーデイ(牡6歳。宝塚記念、天皇賞・秋とGI2勝)である。

 そんな実績馬たちと並んで、まだGIタイトルを手にしていない馬が今回、優勝候補に名を連ねている。アンビシャス(牡4歳)だ。

成長著しいアンビシャス。宝塚記念で初のGI制覇を狙う成長著しいアンビシャス。宝塚記念で初のGI制覇を狙う アンビシャスは、早くからその素質の高さを見せていたものの、昨年の3歳クラシックには出走しなかった。初のGI挑戦は昨秋の、古馬一線級が相手となるGI天皇賞・秋(2015年11月1日/東京・芝2000m)だった。そこでは、よく健闘しながらも5着にとどまった。

 その後、休養に入った同馬は、年が明けて4歳になるといよいよ充実期を迎えた。今年初戦のGII中山記念(2月28日/中山・芝1800m)で、二冠馬ドゥラメンテにクビ差まで迫る2着と好走すると、続くGII大阪杯(4月3日/阪神・芝2000m)では、GI馬5頭が集う豪華メンバーの中で快勝。これまでとは違う先行策をとって、堂々と押し切った。

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