名将への階段を昇るサンフレッチェ・森保一監督のマネジメント術

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 今季J1を制したサンフレッチェ広島の充実ぶりが、あらためて示された表彰式だった。

 12月21日、2015Jリーグアウォーズが行なわれ、最優秀選手賞に広島のキャプテン、MF青山敏弘が選ばれた。その他にも、ベストイレブンには青山に加え、DF塩谷司、FWドウグラスが、またベストヤングプレーヤー賞にはFW浅野拓磨が選ばれており、ベストイレブンの3名選出は、クラブ別ではもちろん最多である。

日本代表のハリルホジッチ監督から記念品を受け取る森保一監督日本代表のハリルホジッチ監督から記念品を受け取る森保一監督 こうして各選手が個人賞を受けているのを見ると、広島がJ1で突出した戦力を備えていたかのようにも感じるが、決してそんなことはない。

 広島で主力として活躍しながら、移籍によってクラブを離れたGK西川周作、DF槙野智章(いずれも浦和レッズ)が、ベストイレブンに名を連ねていたことは象徴的だが、むしろ広島はここ数年、毎年のように中軸となる選手を失ってきた。

 それにもかかわらず、今季J1優勝を果たし、こうして多くの選手が表彰を受けることのできる理由としては、やはり指揮官の存在が見逃せない。

 言うまでもなく、森保一監督である。

1 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る